ＣＧサブストーリー
みんくファンクラブのおんじ会長より、「由里ちゃんへ。挿し話だよ。」という一言と共に、メールがおくられてきました。何だろうと思って添付文書を読んで見ると、あすかさんが描かれた「イリネコ」にまつわるサブストーリーでした。というわけで、載せちゃいます♪
「イリネコは愛を運ぶ」（作：みんくファンクラブ会長 おんじさん）
※おことわり：原文の若干わかりづらい点を文意を変えない程度に加筆修正しております。（ｂｙ白石由里）
「ニュース、ニュース！」
真帆子が大声で駆け込んできた。
「今度の土曜日の２６時間テレビにイリヤが出るんだけど、マラソンなんだって。」
「マラソン？」
「そう、それで通るコースもバッチリだよ」
「すごーい、真帆子ちゃん」
みんくが尊敬の眼差しで感嘆の声を発した。
「丁度その日はオフだし、一緒に行こうね、みんく」
「うん、真帆子ちゃん」
「叶花ちゃんも行こう！」
「しかたがないなあ、つきあうわよ」
そういう叶花の顔は笑顔だ。
「わーい」
毎年恒例の２６時間テレビ。今年は絶滅の危機に瀕した動物救済がメインテーマだ。
イリヤが走るすがたを映して感動させるのが狙いで、ゴールの会場ではスターたちが待っている。フルマラソンは無理なので、半分の距離を走るらしい。コース自体は秘密なはずなのだが・・・。
そして当日。
「ここ、ここっ！」
「うーん、もう、こんな朝早くから出かけてきてと思ったら、人がちらほらいるわねえ」
「当たり前でしょ、早朝から場所とるのだって遅いくらいなんだから。まあ、ここなら、１３時２０分（予定）ごろ、、向こうの角をまがったイリヤくんが来て、この前を走っていくから約５分間みられるわ」
「わーい」
「みんくは無邪気に喜んでいるけど、今６時４８分だよ。昨日、聞かされた時はびっくりしたわ。たく〜、おっかけってのは」
「まあ、まあ、ぶつくさ言わない。午前中は日陰だし、待つのにはいい場所なんだから」
そのとき突然…
「く〜」
みんくの、おなかが鳴った音だった。
「まだ、早いし、シート引いて軽食にしようね」
真帆子はテキパキとセッティングをする。サンドイッチを作ってきていた。
みんくは肩にかけていた水筒をはずして、コップにそそぐ。
叶花もちゃっかりお菓子を持ってきていた。
「まあ、こうしていられるのも９時前までね。人が増えてくるからね。ここから、二百メートルさきに手洗いがあるからね。」
「真帆子ちゃん、下調べバッチリだね」
「んじゃ、いまのうちにメンテでもするかな。」
叶花は、またパソコンをいじりだした。立ったままパソコンを扱うのは、ちょっとキビシイ。
「画像撮影の練習、真帆子とれたよ」
パソコン内蔵のカメラで真帆子を撮る。
「え、もう？シャター音は」
「あのね、パソコン用のカメラにはないの」
「へえ、そうなんだ」
説明をした後、叶花はパソコンでさらに何かしている。
日も高くなって人もさすがに増えてきた。
「予定では、もうそろそろスタートする頃なはずよ」
「インターネットの幾つかの掲示板の一つに、スタートしたというカキコミがあったわ」
「へえ、リアルタイムに分かるんだ、すごいね〜」
みんくが感心する。
「モバイラーな追っかけが世の中には結構いるって事なのよ。最近は携帯からも書き込めるし、こっちのチャットなら、もっとよく分かるよ」
さらに待つこと数時間。
あと、数十分もすれば姿が見えるという頃にみんくの携帯がなりだした。あわてて小声で電話にでる。
「はい、みんくです。え、先輩！？」
「悪い、Ｍｉｎｋ。いまさっき急に２６時間テレビの出演依頼が来たんだ。休みのところ悪いけど、タクシー捕まえて、すぐＴＶ局に駆けつけてくれ」
「はい、はい。急な仕事ですか、分かりました。」
携帯が終わったあと、みんくはすまなくてなさけなさそうな顔で、
「ごめんね、なんだか急に決まったみたいなの、２６時間テレビにいかないと〜」
「うーん、モックンめ、みんくが休みだって知ってるくせに！」
「みんくだけ、仕事なんてかわいそうだよ。私たちも行くよ、真帆子」
「え、イリヤは？もうすぐ来るのに」
「あとあと。みんく一人だけ行かせるなんてかわいそうじゃない」
「えー！、イリヤくーん」
まだ、だだをこねる。
「走る姿は見れるようにしてあげるからさ。みんく、ちょっとここで場所とっていて」
叶花は真帆子を連れて建物の影になる場所に入った。
「どうするつもりなの、叶花」
「さっき、試しに録った、画像を使ってね、WANNA-BEで」
そう言いながら、パソコンを操り、あっと言うまにコピー真帆子を作りあげた。
「代理に立っててもらえばいいんだよ。コピー真帆子が見た映像は、ここに映るという仕組みなの」
叶花のパソコンの中にコピー真帆子が見た映像が移っている
「うわ、私が映ってる。変なの。なるほど、ここには代理のあたしが残るわけね」
Ｍｉｎｋに変身したみんくと真帆子と叶花の三人は、裏通りからタクシーに乗った。
パソコンには、ようやくイリヤの姿が小さく映りだした。
「きゃー、イリヤくーん」
真帆子とみんくの声がダブルで響く。
カメラの画像は上下にブレている。コピー真帆子が感激して跳びはねているみたいだ。
すかさず、ブレ補正をonにする。
徐々に近づいてくるイリヤの姿は、何かおかしかった。なんせ猫のような耳を着けているのだ。
汗をかきながら一生懸命走る姿とのミスマッチがさらにおかしさを誘う。
「イリヤくん、ラブリ〜」
真帆子が、コピー真帆子の目の前を横切ったイリヤを見て大声を出した。
さすが、真帆子、感じ方が違う。叶花は笑いだすのを我慢するので必死だった。
タクシーはそれから、ほどなくしてＴＶ局前についた。
入り口前には、ファンが大勢いて警備の人が抑えている。
Ｍｉｎｋを隠すように二人で挟んで、入口へダッシュした。
ゲートは、Ｍｉｎｋの顔パスでＯＫだった。
先輩に聞いたスタジオに向かう。扉の前に西プロデューサーが待っていた。
「Ｍｉｎｋちゃん、待ってたよ〜。早かったね。イリヤをビックリさせるため、内緒の行動だったんだよ。ゴールしたイリヤに花束を渡す役目だからね。おや、君達は以前にもあった、Ｍｉｎｋちゃんの友達だね。そうだ。スタジオの中で見学していくといいよ」
「はーい」
叶花と真帆子は元気よく答えた。
しばらくして、バイクでかけつけたモトハルが現れた。
「Ｍｉｎｋ、遅くなってごめん」
「モックンおそーい」
「真帆子に、森山さん？ アレ、なんで二人が？」
「Ｍｉｎｋなら、もうスタンバってるよ、ほら」
Ｍｉｎｋの姿を確認したモトハルは手を振る。Ｍｉｎｋも気づいたようだ、笑顔を見せる。
「イリヤがＴＶ局前にきたよ」
ネットの最新情報を確認した叶花が言った。
イリヤが会場に入って来た。
真帆子が歓声をあげる。
会場のゴールテープをイリヤが切る。司会者がインタビューのため近寄る。
それにイリヤが答える。
「この耳は、絶滅寸前のイリオモテヤマネコを意識したものです、みんな絶滅に瀕している動物について考えて下さい」
スタジオの袖に隠れていたＭｉｎｋが入ってきてイリヤに花束を渡す。
「イリヤくん、走る姿、素敵でした」
突然のＭｉｎｋにおどろきながらも、
「ありがとうＭｉｎｋちゃん」
花束の中の一本を取り出してＭｉｎｋに渡した。Ｍｉｎｋが赤くなる。
そして、また一本を抜いてキスをしてカメラに向けて投げた。
「このＴＶを見てくれているあなたに」
叶花が横を見ると真帆子の目は既にハート型になって固まっていた。
司会者が、
「では、この後は、二人で歌ってもらいます。その前に、コマーシャル」
生で二人の歌を聞きながら、叶花と真帆子はこっちに来てよかったねと感じていたのだった。
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いかがでしたか？
２６時間テレビでのマラソンイリヤって、間●平さんとかにし●のあきらさんとかがトライした長距離マラソンでしょうかね？ ネコ耳をつける男性アイドルっていうのもかなり変なシチュエーションですが、こういうチャリティー番組のマラソンで動物絶滅に関して論を唱えるっていうのも、微妙にどこかずれている気もしますね（笑）。
叶花ちゃんのみんくちゃんへの優しさも滲みでてますね〜♪ コピー真帆子ちゃんも見物かも？
なお、本作に関して、作者であるおんじ会長ご自身のコメントがありますので、参考までに載せておきます。
「絵が掲載されてから非常に時間がかかりました、なぜだ？イリヤだから？？（汗）」
…ということだそうです（笑）
もしよろしければ、おんじ会長までご感想をお送り下さいませ。