Ｍｉｎｋの図書館♪（バックナンバーその６）

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「アイスクリームとイリヤ」（２０００年６月１７日ＵＰ）


「ふぅ…」
歌番組の収録を終えたイリヤは、汗を拭きつつ控え室の方へ向かった。今日は、ＪＡＧＵＮＮＡのヴォーカルのほか、自分がプロデュースしたＭｉｎｋのステージの演奏、そして合間のトークなど、なかなかにハード。売れっ子はさすがに辛い。
「…ハードだ…。でも、このハードさがオレの魂を熱くする…」
イリヤは、遠い目で、天井の隅のほうに視線を泳がせる。ステージは終わっていると言うのに、どういうわけか、イリヤの交感神経活動は亢進し、血液が激しく流れ、汗が滲み出る。

ドラムの音が、激しく魂を揺さぶる。ギターの奏でるビートが、耳を熱く刺激する。そして、「オレの歌声」がファンの絶叫を誘う…。
「オレはＲｏｃｋｅｒだ！　オレはＲｏｃｋｅｒだ！　オレはＲｏｃｋｅｒだ！　オレはＲｏｃｋｅｒだ！　オレはＲｏｃｋｅｒだ！　オレはＲｏｃｋｅｒだ！　オレはＲｏｃｋｅｒだ！　オレはＲｏｃｋｅｒだ！……」
叫び、輝く汗、響き渡るビート…最高だ………！！！

「…あ、あの、イリヤくん…？」
ど真ん中で廊下を迷惑にふさぎながら「激しくＲｏｃｋｅｒして」いるイリヤの背後で、廊下を通りたいＭｉｎｋが、まごまごしている。
「…あ、Ｍｉｎｋちゃん、こっちから通ろうとしても無駄だよ。」
ＪＡＧＵＮＮＡのメンバーの一人が、声をかける。
「え？　でも…？」
「イリヤは例によって“なりきり病”だからねえ。おそらく、ステージの上に立ったＲｏｃｋｅｒになりきっているんだよ。ささ、回り道はこっちだよん」
「でも、このままにしておいていいんですか…？」
「いいのいいの。少なくとも１曲歌い終わらないうちはこのままだから。ささ、こっちこっち…」
熱く歌声を放つイリヤくんを尻目に、Ｍｉｎｋちゃんを始め、何人もの人が回り道をすることになったらしい…。

「ふぅ…。なんだか今日は妙にステージが燃えた…。最高だ…。」
疲労感をさらに倍加させつつも、最高のテンションで控え室に向かうイリヤ。体中からは大量の汗が吹き出ている。
「きゃ☆ あれ、イリヤさんじゃない？」
「ホンモノよ、ホンモノぉ〜♪ テレビ局務めててよかった〜♪」
キャーキャー言いながら、イリヤの汗臭さにうっとりとなるのは、すれ違うテレビ局の女性職員たちだった…。女性に騒がれるのは慣れっこのイリヤ。その声もあたかも雑音であるかのごとく、意にも介さなかった。
「わ〜い、ストロベリーのアイスだあ！」
突然、どっかで聴いたような、無防備な無邪気な声が、そこの控え室から聞こえた。ドアが空いているので、ついイリヤは中をちらっとみた。案の定、Ｍｉｎｋがニコニコ顔で座っていた。
「おや？ Ｍｉｎｋちゃんだ…。どれどれ…」
イリヤは、Ｍｉｎｋちゃんに声をかけようと控え室に入ろうとした。
「おいおい、アイスばっかりでお腹壊したらど〜するんだ？」
モトハルの声が続けて聞こえた。イリヤは部屋に入るのをためらった。
（あのマネージャー君が一緒か…。ちっ…）
イリヤは、そのまま部屋のそとでじっとして、聞き耳をたてていた。。
「だってぇ〜、おいしいんだもん♪」
「好きだからって、そんなにいっつもアイスばっかり…」
「番組終わると汗かくじゃない？　アイスってキモチいいんだもん☆　先輩も食べない？」
「わっかんないなあ、オレには。毎日アイスなんか食ってたら、キモチ悪くなりそうだよ。…おっとと、しまった…。ちょっと西さんのとこへ行って来るよ」
そう言い残すと、モトハルは部屋を忙しそうに出ていこうとした。
「おっと、やべ…」
イリヤはドアの影に急いで隠れた。モトハルは半ば駆け出すようにして、テレビ局の事務所のある方へ向かって行った。
イリヤは再び部屋の様子をうかがった。
「…先輩、アイス嫌いなのかなあ…。おいしいのになぁ…」
Ｍｉｎｋの沈んだような声が聞こえる。

「…ううむ…。」
イリヤは、難しい顔をしながら、その場を離れた。
「…アイス…か…。」
考え事をしながらイリヤは廊下を歩いていく。
「…Ｍｉｎｋちゃんとアイス…。ううむ、絵になる…」
イリヤは、何やら哲学的な顔になり、まるで「考える人」のように腕を組みながら、廊下を歩いていく。
「…しかし、このオレにとって、果たしてアイスというものが…。」
歩いていくうちに、イリヤはおかしなことに気がついた。どうも前進できないのだ。
「前に進めない…。これはやはり、オレがアイスという存在を扱いかねているのだろうか…？」
そうブツブツつぶやいていると、通りすがりの女子社員が声をかけてきた。
「あ、あの、もしもし…？」
「すまない…。今、極めて重要な課題について考察中なんだ。サインは後にしてくれないか…？」
「でも、壁にぶつかって、行き止まりなんですけれど…？」
「行き止まりでもオレは歩かなければならない…。ん？　行き止まり…？」
イリヤはハッとした。考え事をしながら歩いているうちに、いつのまにか壁にぶつかっていたのだ。これでは、前進できるわけがない。
「ふふ……オレとしたことが、大きな失態だった。これじゃあ前に歩けるわけがなかった…。ありがとう、社員番号２０６６４３番の瀬戸口さん」
そう言うとイリヤは、「瀬戸口さん」のおでこにふいにチュウをすると、また難解な顔をして去って行った。
「……い、イリヤさんが…………………（きゅ〜〜〜〜〜〜〜）」
「撃沈」させられた瀬戸口さんは、５秒後にとつぜんぶっ倒れて、医務室へ運ばれるのだった。

それから１０日ほどしたある日だった。
Ｍｉｎｋはその日、歌番組の収録を終えて、控え室の方へ戻ってきた。
「やあ、Ｍｉｎｋちゃん」
ふいにイリヤが、Ｍｉｎｋの前に現れた。
「あ、イリヤくん…」
「どう？　ステージ、疲れた？」
「もう、一生懸命歌って、くたくた〜」
息を切らしながら、Ｍｉｎｋは言う。
「どう？　オレと一緒にアイスでも食べに行かないかい？」
イリヤは、爽やかな笑顔を浮かべて、Ｍｉｎｋを誘った。
「え？　アイス？　きゃ〜〜〜、行く行く〜〜〜〜〜☆」
“アイス”という言葉に、Ｍｉｎｋは無邪気に反応した。
「まってて、今着替えてくる☆」
Ｍｉｎｋは立ち去ると、１０分くらいして、やがて戻ってきた。
「おまたせ〜♪」
「じゃ、行こうか？　オレの車で行こう！　５〜６分で着くよ」
イリヤとＭｉｎｋが行こうとした時だった。
「お〜い、Ｍｉｎｋ？」
モトハルがＭｉｎｋを呼びとめた。
「あ、先輩？」
「どこにいくんだ？」
「これから、イリヤくんと一緒に、アイスを食べに行くんだよ〜」
それを聞いたモトハルは、ちょっとうろたえたようになった。
「…というわけさ。Ｍｉｎｋちゃん、行こうか？」
そう言うとイリヤは、Ｍｉｎｋの手をとった。それを見たモトハルの顔色がサッと青ざめる。
「ちょ、ちょ、ちょっと！　断り無しに、うちのＭｉｎｋを連れ出さないでくれないか？　しかもこんな時間に…」
モトハルが明らかに動揺しているのがわかる。
「マネージャー君。もうお仕事は終わったんだ。これからはプライベートな時間だよ。そんなわけで、事務所とは関係無しに、個人的なおつきあいとしてオレはＭｉｎｋちゃんとアイスを食べにいかせてもらうよ。」
「…しかし…。おい、Ｍｉｎｋ！　アイスなんて……」
モトハルがそう言いかけたときだった。Ｍｉｎｋはキッとした表情でモトハルの方を向いて言った。
「あたし、アイスが大好きだもん。だから食べたいんだもん。先輩は……嫌いなんでしょ……？」
そう言うと、Ｍｉｎｋはそっぽを向いてしまった。
「じゃあ、マネージャー君、失礼するよ…」
イリヤは、Ｍｉｎｋの肩を抱くようにすると、二人で行ってしまった。
「…アイスなんていつだってオレが買ってやるのに…」
モトハルは、ただただなすすべもなく、二人を見送ることしかできなかった。

ＢＭＷの中のＭｉｎｋはなんだか沈んでいた。
「どうしたんだい？　さっきの様子からして、マネージャー君とケンカでもしたのかい？」
イリヤが聴いてくる。
「いえ、ケンカじゃなんかしてないですけど…。」
Ｍｉｎｋはちょっと困惑したような表情だった。
「ふぅん…」
車は、やや郊外よりのちょっとした商店街に入っていった。
「さあ、すぐそこだよ」
車を路上にとめると、イリヤはサングラスをかけて車を降り、反対がわに回って助手席のドアを開いた。
「さ、これをかけて」
イリヤは、Ｍｉｎｋの顔にもサングラスをかけた。イリヤとＭｉｎｋが素顔で出て歩いたりしたら、大騒ぎになる。
「…さ、このお店さ。来たことないだろう？」
「うん。こんなところ、イリヤくん、よく知ってるね？」
「こんな平凡な商店街にあるお店だからねえ。でも、とびきり美味いんだよ。知る人ぞ知る店…ってとこかな？」
二人は、店へ入っていった。静かな商店街のちっちゃなこのお店には、外が暗くなっているこの時間のせいか、客は居なかった。
「いらっしゃいませ。何になさいますか？」
店員の女性が問うてきた。
「御馳走するよ。好きなものを頼むといい。」
「きゃ☆　ほんと？」
「どうぞ。Ｍｉｎｋちゃんは、ストロベリーなんかがお好みかな？」
先日のＭｉｎｋの控え室での場面を思い出しながら、イリヤは尋ねた。」
「うんっ！！！　ストロベリーだあ〜〜いすきっ☆　それにしてもいい？」
「どうぞ。じゃあ、この子にはストロベリーを。そして、オレは…」
イリヤは、少し真面目な表情になると、考え込むようなポーズをとった。
「イリヤくんは、何を頼むの？」
「…オレは…」
イリヤは３０秒くらい考え込んでいた。
「イリヤくん、あの…？？？」
Ｍｉｎｋが当惑気に話しかけると、やがてイリヤの口が開いた。
「…じゃあ、オレは……抹茶アイスを…」
「ま、抹茶…？」
Ｍｉｎｋは、ちょっと驚いたような顔をした。
「はい、ストロベリーと抹茶ですね？　かしこまりました」

運ばれてきたアイスを受け取ると、二人は席についた。
「わあ〜、おいしそ☆　いただきまぁ〜す♪♪♪♪♪」
Ｍｉｎｋは無邪気にアイスをほおばる。
「どうだい？　美味しい？」
「…すっご〜〜〜〜〜〜くおいしい〜〜〜〜〜〜〜♪♪♪　イリヤくん、本当に良いところ知ってるね〜〜〜〜〜〜♪」
「ふふ…。このオレは普通のお店は満足できないんだ。本当においしくて、しかも、通だけが知っているという“知る人ぞ知る”っていうお店を常に求めているのさ」
「へえ。こだわりなんだね〜」
「まあ、たとえて言うならば、コ●コーラよりもペ●シコーラ、リポ●タンよりも新グ●モント、主役コンビよりもＮｏｉｓｅな二人…といったところだね」
「ふ、ふぅん…。なんかよくわからないけど…。じゃあ、抹茶もそのこだわり？」
Ｍｉｎｋが抹茶アイスを指差すと、イリヤはハッとしたようにアイスを眺めた。
「あ、ああ…。ふつうアイスならバニラとかチョコとかストロベリーだろうけれど、オレはやはり真の通好みの味を追求するのさ。Ｍｉｎｋちゃんは抹茶アイスとか、好き？」
「あたしは、ストロベリーがいいなあ。抹茶ってあんまし…」
「そうかい？」
「イリヤくん、食べないの？」
「おっと…。はは…。Ｍｉｎｋちゃんの美味しそうな笑顔の方に夢中で、忘れてたよ」
イリヤはそういってＭｉｎｋにウィンクした。
（…ぽっ･･･）
Ｍｉｎｋの顔が真っ赤になる。
「さて、オレも食べるぞっ！！」
なぜか意を決したような声を上げると、イリヤは抹茶アイスをスプーンで救い、口へと素早く入れた。
「どう？　美味しい？」
Ｍｉｎｋがイリヤに無邪気に問いかける。
「…ふうむ…。この抹茶特有の青臭い味わい…。しかしこの青臭さが、アイスの本来持ち合わせる乳脂肪成分の旨みと絶妙に絡み合い、至高の味わいを生み出す…。この独特の美味さ、実に意外な驚きだとは思わないかい？」
イリヤは、目を閉じてアイスを味わいながら、淡々と述べる。
「イリヤくんって、なんだか、グルメ番組の解説者みたいだね〜」
「自分の味わった感覚を言葉にして表現することで、食べ物の美味しさを再確認するのさ。食べられるものに感謝…ってところかな…」
イリヤは渋い表情を浮かべながら、淡々と述べつつ、淡々と食べていった。
「ここのアイス、本当に美味しいよね…。」
Ｍｉｎｋはそう言うと、物憂げな表情になって、窓の外を眺めた。
「…先輩も食べに来ればよかったのに…」
何気なく、ほとんど聞き取れないような音量で無意識につぶやいたＭｉｎｋの言葉だった。しかし、イリヤは聞き逃さなかった。

「あ〜、美味しかった。御馳走さま〜♪」
上機嫌でＭｉｎｋは店を出た。
「あれ？　イリヤくん、何してるんだろ？」
イリヤはなぜか店のレジのところにまだいる。しばらくすると、イリヤは出てきた。手には包みを持っていた。
イリヤは再びＢＭＷを飛ばすと、最寄の地下鉄駅でＭｉｎｋを下ろした。そして、さっきの包みをＭｉｎｋに手渡した。
「これ、おみやげだよ。お持ち帰り」
「わあ〜♪　いいの？　ありがと〜♪」
「持ちかえって、今度はマネージャーくんと食べなよ。」
イリヤはニヤっとして言う。Ｍｉｎｋの顔がとたんに赤くなる。
「…え…？　先輩と…？？？」
「マネージャー君と一緒に食べたかったんだろう？」
「あ、そ、それは…」
「隠さなくてもいい。Ｍｉｎｋちゃんの様子を見てたらわかったよ。」
「あの、でも、あたし、イリヤくんと来れて楽しかったよ…」
「ふふ…。今度来る時は、オレのことだけをみつめてて欲しいな…。じゃあ、また今度…」
イリヤはそう言うと、Ｍｉｎｋのほっぺにチュウをして、去って行った。
「…イリヤくんがほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウほっぺにチュウ………………………きゅぅ…」
うわごとのようにつぶやきながら、Ｍｉｎｋは「撃沈」されてしまった。

元の姿に戻ったみんくは、アイスの包みを抱きかかえながら、家の近くまで帰って来た。
「おや？　白石さん？」
突然目の前にバイクが止まった。みんくがあっけにとられていると、ライダーがヘルメットを脱いだ。モトハルだった。
「あ、先輩…？」
「こら、中学生がこんな時間に一人で夜道を歩いて、危ないだろ？」
モトハルはみんくのあたまを軽くコツンとついた。
「…ご、ごめんなさい…」
みんくは真っ赤になってつぶやいた。
「何か買い物にでも行ってたのかい？」
みんくの持ってる包みを見て、モトハルは尋ねた。
「あ、あの、先輩…。アイス…、食べませんか？」
みんくはオドオドしながら、モトハルに、お持ち帰りのアイスを差し出した。
「アイス…？　くれるの？」
「お嫌いじゃなかったら…。一緒に…」
アイスを差し出すみんくの顔は、耳まで真っ赤だ。そんなドキドキなみんくの様子に気づかないモトハルだったが、みんくの手からアイスを受け取ると、一口食べた。
「…へえ。美味しいね。」
「…おいしいでしょ？　さっき、お友達と一緒に買ってきたんです。」
「でも、これ、もらっちゃっていいの？」
「はいっ♪」
みんくは、自分もアイスを取り出して、いっしょに頬張った。
「やっぱり女の子って、こういうの好きなんだね？　うちのＭｉｎｋも好きらしいんだ」
「先輩はあんまり食べないんですか？」
「甘いものはあんまし食べるほうじゃないんだけどね。でも、たまにこうやって食べるのもいいもんだね。」
そう言って、モトハルは微笑んで見せる。みんくの心臓はもうドキドキだった。
「…先輩と一緒にアイス…。これって、デェト…かなあ…？」
ドキドキしっぱなしのみんくには、もはやアイスの味はわからなかった。
（…先輩、決してアイスが嫌いなわけじゃなかったんだね…。さっきはごめんなさい…。この前も、本当はあたしの体を心配してくれて言ってたのにね…。）
ストロベリーの味とともに甘ずっぱい想いに満たされながら、みんくはモトハルの傍でたたずむのだった。

その夜、パソコンに一人向かうイリヤ。どうやら、ネットに接続してチャットをしているようだった。
「…先日教えてくれたアイスの店は良かったよ。相手の女の子が喜んでた」
イリヤはそう打ち込んだ。どうやら、さっき行ったアイスの店は、このチャット相手から教えてもらった店らしい。
「えっへん。あたしがみつけたんだぞ。美味しくないわけないじゃん」
チャット相手は女性のようだ。
「抹茶アイスなんて初めて食べて見たが、以外に良かったよ。おもいっきりまずかったらどうしようかと冷や汗ものだったけどね」
「無理しちゃって。第一、アイスなんてあんまし食べなれないくせに。無難にバニラとかにしとけばいいのにさ。」
「このオレが平凡なバニラなんて女の子の前で食えるわけないだろう？　やはり、“通”なとこを見せつけなけりゃならないからね」
「アイスで女性の気を惹こうなんて妙なこと考えるね。そんなことしなくても、女の子はあなたなら口説けるんじゃないの？」
「…いや、強力なライバルがいてね…。今日は口説けなかったよ。まあ、またチャレンジしてみせるさ。」
「ま、せ〜ぜ〜頑張ってね。じゃ、あたしは落ちるね。おやすみなさい☆」
そう書き残すと、相手の女性はログアウトした。イリヤもログアウトして、パソコンのスイッチを切った。
「Ｍｉｎｋちゃん…。いつか君をオレのものに…」
目を閉じながら、イリヤはつぶやくのだった。

「もう、本当にプレイボーイなんだからなあ…」
相手の女性は、チャットからログアウトすると、ため息をついた。
「せっかくとびっきりのお店を教えたのに、口説けないとは、イリヤくんも意外とダメだね〜。Ｍｉｎｋじゃあるまいし。相手は一体誰なんだろ？」
パソコンをスタンバイモードにし終えると、ため息をついた。
「…まったく、いっつも強引なんだからなあ。あのお店は、誰にも秘密のつもりだったのに…。あたしがひそかにみんくを連れて行こうと思っていたところだったのに…。無理やり教えろってしつこいんだから、本当に強引なやつ…」
あきれたようにつぶやくと、叶花はベッドに横になった。

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……う…（滝汗）。
なんだかイリヤくんが妙なキャラになっちゃいました。
全国のイリヤくんファンの皆様、イメージ崩れたらごめんなさい…。カミソリ入りの手紙はごかんべんを…（滝汗）。あと、なぜイリヤくんと叶花ちゃんが親しげにチャットなんかで会話しているのか、その辺りの事情は前作「丘の上のコンサート」をお読みいただければ幸いです（笑）。

というわけで、今回はイリヤくんが一応主役です。今回の話のネタは、イリヤは意外と抹茶アイスが好みなんじゃないか…とかどっかでしゃべったあたりから思いついたんですが、話がちょっとまとまりのない内容になったかもしれません。テーマが不明確なまま執筆にかかったので、書き始めから完成まで約１０日もかかったし…。

この話で一番いい思いをしているのは、みんくちゃんですね♪　やはりみんくちゃんにはしあわせモードになって欲しいなあって私は思っているものですから。でも、モッくんのものになっちゃやだ〜い！（苦笑）

しかも、毎度のお約束ですが、今回も「問題作」ですねえ…。私は「問題作」しか書けないのだろうか？（爆）

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