ここには第１０話〜第１４話分が掲載されています。
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第１０話「アイドルは転校生！？」（なかよし２０００年８月号掲載）
７月号はお休みだったので、２ヶ月ぶりの再開になります。この間、禁断症状に苦しんだ方からの報告が当掲示板にも寄せられておりますことからお分かりの通り、全国３９０万人のＭｉｎｋちゃんファンの皆様が相当悶え苦しんだことは想像に難くありません。そんなファンの皆様の期待にこたえるがごとく、今月号は、サーヴィスがかなり満載です。
まず、付録！ マーメイド姿のMinkちゃんがらぶりぃな「アクアティッシュＢＯＸ」、Ｍｉｎｋちゃんの他にみんくちゃん、叶花ちゃん、真帆子ちゃんのイラストも可愛らしい「アイドルメール」、そして「ミレニアムサマーシールコレクション」にもＭｉｎｋちゃんが！！ ３種類もの付録にＭｉｎｋちゃんが出るという大サーヴィスです。そして、本誌ではさらに「なかフェス」でのグッズ、全プレでのオリジナルラブリーバッグ（ファンシートード）と、嬉しい情報が満載です。
期待にワクワクしながら扉を見ると…。なんと！！！ Ｍｉｎｋちゃんとみんくちゃんのダブルイラストです！！！ 大人っぽい雰囲気の黒いおそろいのドレスを二人ともまとっており、左側のＭｉｎｋちゃんは赤をミックス、みんくちゃんは青をミックスしています。左側のＭｉｎｋちゃんは足をクロスさせるようにしてやや色っぽい雰囲気、右側のみんくちゃんは足を寄せるようにして、あどけなく可愛らしい雰囲気を交えており、ファンの皆様の心を一発で引き寄せる、連載再開には嬉しいカラーイラストです。Ｍｉｎｋちゃんとみんくちゃんの描き分け方に、立川先生の本作のキャラの捉え方がよく表れていると言えましょう。
扉をめくると、読者参加型企画第３弾「あなたの『変身』大募集！」が載っています。「“ＷＡＮＮＡ−ＢＥ”があったら、なにになる！？」という企画であり、自分のなりたいものをイラストにして送るというもののようです。立川先生の見本のイラストは、「プロ野球選手のＭｉｎｋちゃん」で、舌をぺろっと出してウィンクしながらバットを構えるＭｉｎｋちゃんが大変可愛らしくなっています。野球好きの立川先生らしいですね♪ グランプリにパソコンがもらえるあたり、「電脳少女☆Ｍｉｎｋ」らしいといえばらしいです。「電脳少女☆Ｍｉｎｋ」は読者参加型企画がかなり多くなっており、ファンサービスが良いとしか言い様がありません。
さて、いよいよ漫画本編。今月号は、特別編である第１０話を除けば、５月号以来、すなわち３ヶ月ぶりの本編再開とも言え、そのせいか、前半は、Ｍｉｎｋ（みんく）ちゃんのモノローグによるストーリー紹介がメインとなっています。
まず、いきなりステージシーン。「迷子のマーメイド」というシングル第３弾が出ています。人魚の尾ひれをデザインした衣装が可愛らしいです。そういえば、今月の付録にはマーメイドなＭｉｎｋちゃんがデザインされていました。どうやら立川先生は、Ｍｉｎｋちゃんをマーメイドに見たてているという感じもします。シングルがヒットして絶好調な、大変ワクワクなシーンから始まっており、連載再開には相応しいプロローグと言えましょう。今回の新曲も、またしてもイリヤくんのプロデュース！ 憧れのイリヤくんにまたしてもプロデュースしてもらえ、すっかり有頂天で「違う世界」へイッちゃっているＭｉｎｋちゃんです。ステージ終了後、モッくんに頭をなでられ、さらに有頂天なＭｉｎｋちゃん。しかし、うっかり生徒手帳を落としてしまい、危うく「白石みんく」としての身分証明書を見られそうになります。思わず「誕生日は？？？」とゴクリ唾を飲んだ読者の皆様も多かったと思われますが、残念ながら、今回は秘密のようですね。ただし、おすまし顔のみんくちゃんの写真だけは、読者の皆様は見ることができます。
さらに、久しぶりの登校シーン。みんくちゃんも実に４ヶ月ぶりの登場であり、泣いて喜んだみんくちゃんファンの皆様も大変多いことでしょう。叶花ちゃんと真帆子ちゃんもアップで登場♪ ３人とも、夏制服で登場です。よく見ると、みんくちゃんと真帆子ちゃんの袖はギャザーが寄っており袖口が締まるタイプですが、叶花ちゃんは袖口が締まらないタイプとなっています。そういえば、「セイントテール」でも立川先生は夏服でリナの夏服のスカートの“つり”の部分をはずすという描き分けをしておられます。袖口が締まらないほうが、叶花ちゃんには似合うと先生は御判断なさったのでしょう。「３人娘」の登校シーンに、バイクに乗ったモッくんが登場します。珍しく「朝から登校」するモッくんに冷やかしの言葉を浴びせる叶花ちゃんと真帆子ちゃんですが、みんくちゃんはただただ赤くなってもじもじしています。Ｍｉｎｋちゃんの姿の時はモッくんとよく会話するけれども、もとの姿の時のみんくちゃんは、どきどきしまくってモッくんとなかなか言葉を交わせないようですね。「白石さんはオレの味方だよねー」と言いつつ「ぽんっ」と頭に手を乗せてなでるシーンにどきどきのみんくちゃん。先ほどのステージ終了後の頭をなでるシーンとの対照も興味深いところでしょう。この、もじもじどきどきしている素顔のみんくちゃんがまた大変に可愛らしく、４ヶ月ぶりのみんくちゃんの登場とともに、大変に萌えるシーンです。
さて、学校でのシーン。ここで矛盾発覚です。デビュー前（初登場時）に「２年４組」であり、クリスマスライブを経験して、今この夏服となる季節で未だに「２年４組」であるという事態は、みんくちゃんたちが留年でもしていない限り説明がつきません。しかも、中学ですから義務教育。みんくちゃんたちはきちんと学校には行っていたと思われるので、義務教育で留年という事態はまず無いはずです。よって、この作品には時間的矛盾が生じてしまうのです。まあ、漫画にはよくありがちの「永遠の中学２年生」の設定と言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが…。
さて、ツッコミはさておいて、学校シーン。まず、担任教師が初登場。そしてクラスには、転校生「茜有香」ちゃんが登場します。みんくちゃんも後で述べているとおり、お砂糖菓子みたいな雰囲気の女の子です。この「お砂糖菓子みたいな」あたり、「姫ちゃんのリボン」の聖結花ちゃんに通じるものがありますね。名前も同じ「ゆか」の発音ではありますし…。さて、有香ちゃんは、Ｍｉｎｋちゃんみたいなアイドルを目指すアイドルの卵ということ。自分が目標と聞いて、複雑な気持ちでぱにっくになるみんくちゃん。席も隣になってしまいました。可愛らしい転校生を前に、クラスの男子生徒がちやほやします。男子の制服も、はじめてわかります。アイドルというだけで、男子たちの目の色も違います。面白くない真帆子ちゃんと叶花ちゃん。しかし、二人の面白くない理由は異なっているようです。真帆子ちゃんは、有香ちゃんが男子にちやほやされているのが面白くないのだと思われますが、叶花ちゃんは、「じつは（あたしのつくった）Ｍｉｎｋがここにいるつーのに」という理由で面白くないのだと解釈します。しかし「自覚のない」みんくちゃんは「ほんもののアイドル」を目の前にぼーっとなって、すっかり「違う世界」へイッてしまっています。変身しなければアイドルになれない自分と、最初からアイドルの素質を持っていると思われる有香ちゃんを比較したみんくちゃんは、「先輩だったらどう思うかな…」と考え、ちょっと切なくなってしまうのです。
男子たちは、教科書を忘れてたり火が怖かったり包丁で手を切っちゃったりパソコンなんてわからなかったり…する有香ちゃんにつぎつぎとこぞって救いの手をさしのべ、クラスの女子たちが「男子なんてぇ〜〜〜〜〜」と怒りの炎を燃やすことになります。しかし、叶花ちゃんは「あほらし☆」と、さっぱり興味がない様子。マイパソコンでＭｉｎｋのＨＰを覗きます。やはり、ミーハー男子たちよりも、みんくちゃんへの想いのほうが叶花ちゃんは強いのかもしれません。
そこへ、みんく（Ｍｉｎｋ）ちゃんの携帯に電話が入ってきます。出てみるとそれはモッくんの声。モッくんの父親であるバードミュージックの社長から電話が来て、緊急発表があるというのです。一方、ＭｉｎｋのＨＰを見ている叶花ちゃんのパソコンを有香ちゃんが勝手にいじってしまい、ＷＡＮＮＡ−ＢＥが暴走（ハングアップ）してしまいます。学校中のモニターやパソコン、そして警備システムにＭｉｎｋちゃんの新曲「迷子のマーメイド」のビデオが流れ出してしまいます。どうやら、叶花ちゃんのパソコンは、学校の電話回線をジャックしてネットに接続していたようで、モバイルではなかったらしいことがわかります。そういえば、学校になぜモニターによる警備システムがあるのかというあたりもなんだか大きな疑問です。
仕方が無いので「おねがいＮＥＴＷＯＲＫ」の「休止（スリープ）」をみんくちゃんは発動します。何気ないシーンですが、これはとんでもない現象です！！！ みんくちゃん、叶花ちゃん、真帆子ちゃん以外の皆の動きが止まっているのです。すなわち、皆の「時間が止まって」いるのです。「おねがいＮＥＴＷＯＲＫ」は、そもそも叶花ちゃんがＷＡＮＮＡ−ＢＥに付け加えたオプションのはず。すなわち、我等がネットの恋人叶花ちゃんは、ついに「時間を止める」という前代未聞の技術を開発したことになるのです！！！ とどまることをしらない叶花ちゃんの技術力！ 一体日本の未来を叶花ちゃんがどう支配するのかだけがもはや気になると言っても過言ではないでしょう。
さて、「緊急発表」が気になるみんくちゃんは、急いで変身します。みんくちゃんの登場が久しぶりということは、当然変身シーンも久しぶり、４ヶ月ぶりということです。２ページ見開きによるキュートな変身シーン。そこには、羽の生えたＭｉｎｋちゃんが登場します。単なる衣装のオプションかと思っていたら、どうやらバグだったようです。ということは、Ｍｉｎｋちゃんはまさに「妖精」となっていたというのでしょうか？？？
さて、「クビにされる」と思ったＭｉｎｋちゃんは、事務所に着くなりモッくんに「クビにしないでぇぇぇぇぇぇ」と泣きつきます。なんだか妙な早とちりです。「親父なんてカンケーない！！」と叫び「ふたりでやっていこう！！」というモッくんのセリフ。なんだか「カケオチ」もどきと気づき、ドキドキするモッくんとＭｉｎｋちゃん。ふたりで見詰め合い、そして抱き合おうとしていたところへ突然「きゃーーーー（はぁと）」とか叫んでＭｉｎｋちゃんに会えたことに感激しまくっていたのは、あの有香ちゃんでした。「あくしゅしてーー」とかノーテンキに有香ちゃんがはしゃいでいるところへ、突然の電話。「ハァーイ」とか妙にお茶目な叫びをあげる電話の相手はモッくんのパパことバードミュージックの社長でした。そして、社長からの緊急発表、それは、バードミュージックに有香ちゃんが所属するというものでした。有香ちゃんは、旅に出た社長が見つけてきた人材だったのです。モッくんが専属マネージャーと思った有香ちゃんは、「ぺたっ」とモッくんに抱きつきます。「先輩があたしからはなれていっちゃう！？」と、そのシーンにＭｉｎｋちゃんは大ショックを受けてしまいます。
いわゆる「恋のライバル」とでも言うべき人物の登場で今月号は幕を下ろします。変身しなければアイドルになれない自分と、アイドルの素質をもつお砂糖菓子みたいな有香ちゃんを比較することで、みんくちゃんはますます劣等感にさいなまされていくことでしょう。大好きなモッくんが絡んできたときにみんくちゃんの心がどう揺れ動くのか？ Ｍｉｎｋという偽りの姿を借りてモッくんの傍にいままで居たみんくちゃんでしたが、今後偽りの自分の姿に疑問を持ち始め、本来のみんくちゃんとしての自分を知ってもらいたいという欲求がより強くなっていくのかもしれませんね。みんくちゃんにとって、とても大きな試練が、今後つぎつぎとみんくちゃんの心を苦しめていくのでしょうか？ 来月以降もますます目が離せませんね。
さて、サイン会情報が載っていますが、７月と８月に、なかフェス絡みで開催されるようです。３月以来のサイン会がなんと短期間の間に２度も！！！これもまた大変楽しみですね。
第１１話「Ａｎｇｒｙ Ｇｉｒｌ」（なかよし２０００年９月号掲載）
今月号の表紙は、おとぎ話のお姫様風の有香ちゃんと、そんな有香ちゃんを見下ろすようなＭｉｎｋちゃんの組み合わせになっています。言うまでもなく、二人ともとっても可愛らしく、特に有香ちゃんファンの方々は萌爆ぶっこかれたのではないでしょうか？ 有香ちゃんをちょっと意識したようなＭｉｎｋちゃんのイラストに添えられた「Ｍｉｎｋはちょっぴり不安なの……」というあおり文句が、今後Ｍｉｎｋちゃんに迫る試練を暗示していて、物語の新展開を示しています。なお、このページでは、「電脳少女☆Ｍｉｎｋ」２巻の発売予告と、表紙イラストの発表が行なわれています。２巻の表紙は、シルクハットを被った、マジシャンアイドル風のＭｉｎｋちゃんで、セイントテールからの立川先生ファンの方にも興味深いイラストであると思われます。
さて、今回のお話は、口紅のＣＭの撮影シーンから始まります。そして、このＣＭが、いきなり萌爆ものなのです！！ Ｍｉｎｋちゃんだけでなく、新人の有香ちゃん、そして、なんと！ あずみんまでが共演しているのです。このアイドル３人娘が可愛らしく寄り添って創り出すＣＭ…！！！ 大人っぽさとあどけなさが交じり合うＭｉｎｋちゃんと有香ちゃん、そして、魅惑的な大人っぽさが抜群のあずみん！！！ 何といっても、最近影を潜めていたあずみんの再登場、しかも、ものすごく萌えもえな再登場に、大変萌えられた皆様もとても多いことでしょう。もちろん、我等がＭｉｎｋちゃんの可愛らしさは言うまでも無く、あずみんや有香ちゃんを寄せ付けない萌えもえ度抜群のＣＭです。全国３９０万人のＭｉｎｋちゃんファンの皆様がごろごろしまくるお姿が容易に想像できます。なお、このＣＭは、口紅のブランド“パルフェ・シリーズ”の秋の新色とのことで、３色あり、「ピーチ・ピンク」のイメージをＭｉｎｋちゃんが、「アプリコット・オレンジ」を有香ちゃんが、「ラズベリー・レッド」をあずみんが担っています。この３人のイメージの割り当ては実に的を得ており、ＣＭプロデューサーの実力を証明しています。
さてさて、ＣＭ撮影後、自信満々のあずみん。このあずみんの得意げな様子は、トップアイドルとしてのあずみんのプライドを十二分に表現しています。ただし、このＣＭのタイアップ曲を歌うのはＭｉｎｋちゃんであり、あずみんはかなり不満気のようです。普通に考えれば、このような条件のＣＭの依頼をあずみんは受けないような気もしますが…。まあ、依頼を断らずに敢えてＭｉｎｋちゃんとの共演に挑戦したところに、あずみんのトップアイドルとしてのプライドが表れているように思います。逆にＭｉｎｋちゃん側も、コンサートの件で嫌がらせをされたにも関わらず、あずみんとのＣＭ共演を承諾したというのも不思議な話です。Ｍｉｎｋちゃんはあまりその辺を根には持たないのかもしれませんが、マネージャーであるモッくんは、心配はなかったのでしょうか？
口紅が慣れないＭｉｎｋちゃん。モッくんに出会うまで「レンアイケイケン：ナシ」だったみんくちゃんは、おそらくお化粧とかはまだしたことが無いのでしょう。慣れないお化粧を恥ずかしがって、Ｍｉｎｋちゃんは落としてしまいます。きっと、モッくんに見られるのが一番恥ずかしかったにちがいありません。しかし、運悪く（笑）モッくんに口紅を落とすところをみられてしまい、かなりイシキしすぎてしまいます。口紅をつけたからと言って、モノが食べられないわけではないのですが、「タイヤキも肉まんも食べられないし！！」と、Ｍｉｎｋちゃんはなかなかに可愛い発言をしてくれます。ここでもお化粧が「きっちり未体験ゾーン」であることがわかります。この発言はモッくんの失笑を買ってしまいますが、その後、モッくんに口紅が似合ってるといわれ、すっかりＭｉｎｋちゃんはドキドキになってしまいます。「先輩がそーゆうんなら あの もすこしつけてよう……かな…なんてっ」…と、Ｍｉｎｋちゃんはドキドキしながらも精一杯モッくんに語りかけますが、肝心なところで、仕事、しかも有香ちゃんに関する話で、モッくんは気を取られてしまってます。
ところでその有香ちゃん。なんでもモッくんはＭｉｎｋちゃんの妹分として売っていく方針のようです。まだデビューしたてということで、無邪気な有香ちゃん。そんな有香ちゃんに、モッくんは頭の下げ方から指導します。そうやって、有香ちゃんにかなりつきっきりのモッくん。有香ちゃんも自分からぴったりと寄り添っていて、そんな二人を見るＭｉｎｋちゃんは、気が気ではありません。かつて自分にしたように有香ちゃんにおじぎをさせるモッくんを見て、Ｍｉｎｋちゃんはなんだか寂しい気持ちになってしまうのです。そんな有香ちゃんも、もちろんＭｉｎｋちゃんも、自分の敵ではないと、相変わらずのプライドをみせつけるあずみんは、モッくんについて、「あなたの専属マネージャーじゃなかったの？」と鋭い指摘をします。この言葉に打撃を受けるＭｉｎｋちゃんを見て、あずみんは、何かに気がついてしまったようです。
さてさて、雑誌のグラビアに載ったり、写真集を出したりと、順調な滑り出しを見せる有香ちゃん。しかし、その仕事ぶりは、どうも危なっかしいようです。道がわからなくて取材先についていないという有香ちゃんのために、モッくんはすぐに迎えに行こうとします。そんな「いっしょうけんめいでやさしい」モッくんに、Ｍｉｎｋちゃんは寂しさを隠し切れません。モッくんも、なんだかＭｉｎｋちゃんの様子がおかしいことに気がついたようです。Ｍｉｎｋちゃんはそんな先輩についつい「有香…ちゃんの 専属マネージャーになる…って…」と、尋ねてしまいます。「そんなことないない」と否定するモッくん。しかし、何かと危なっかしくミスをやらかす有香ちゃんに、モッくんは事実上つきっきりになってしまいます。有香ちゃんとモッくんが二人でいるのを見て、Ｍｉｎｋちゃんはますます孤独感を強めていくのです。そういえば、モッくんは有香ちゃんに勉強を教えようとしていますが、普段学校に行ってないモッくんに、勉強が教えられるのか甚だ疑問ではありますが…？
元気のないみんくちゃんを、叶花ちゃんと真帆子ちゃんはしきりに慰めます。「元気だしなよ みんく」と言いながらみんくちゃんの台好きなストロベリーを差し出す叶花ちゃんの眼差しは、いつになくやさしい眼差しです。真帆子ちゃんも、兄であるモッくんに腹を立て「ぶっとばしてやる」と息巻きますが、みんくちゃんは「先輩つかれてるんだもんっっ」と、けなげにモッくんをかばいます。みんくちゃんのあまりの不憫さに、真帆子ちゃんも悲しげな目つきになってしまいます。でも、この日はやっとモッくんと二人っきりでいられると、みんくちゃんはちょと嬉しそうです。しかし、モッくんからかかってきた電話は、またしてもモッくんが有香ちゃんにつきっきりにならなくてはならないという知らせでした。「ひとりでへいきだよな」と言うモッくんの声は、Ｍｉｎｋちゃんを信頼してのことだったのでしょう。健気なみんくちゃんは、有香ちゃんのことを気遣い「はやくいってあげてね」と答えますが、せっかくモッくんと一緒にいられるという期待を裏切られた悲しさに、泣いてしまいます。
泣きながらＳＴＶへ向かったみんくちゃん。ただでさえ有香ちゃんのことで振りまわされているモッくんに迷惑をかけまいという健気な気持ちからでしょうか？ 「ぜんぜんへいき」「元気だよ」と、自分に言い聞かせます。しかし、みんくちゃんは、たった一人ではこれ以上元気になることはできませんでした。「ピンクは元気が出る色」というモッくんの言葉、そして、モッくんに口紅が似合うと言われた事が、みんくちゃんに口紅をつけさせます。みんくちゃんは、愛しいモッくんが誉めてくれた口紅をつけることで、モッくんのいない寂しさを埋め合わせようとしていたのです。ピンクのリップで少し元気を得たみんくちゃんは、Ｍｉｎｋちゃんに変身し、「元気っっ」と叫びます。しかし、この叫びは、実は寂しさを誤魔化すための空騒ぎにしか過ぎなかったのです。なお、今回のこのＭｉｎｋちゃんの衣装ですが、今までの傾向とはまたちょっと雰囲気の違うポップな感じの衣装になっており、決めポーズも実に軽やかです。
さて、モッくんは有香ちゃんのもとへ駆けつけますが、具合が悪くなったと言われていた有香ちゃんはすでに元気で「もう治っちゃったーーー（はぁと２）」と、ノーテンキにぶりっこぶっこきます。有香ちゃんは悪気はなく、天然な笑いを振り撒きますが、そんな有香ちゃんに、ついにモッくんの怒りが炸裂！ 有香ちゃんの頭をグーで殴ってしまうのです。さすがの有香ちゃんも怒りますが、モッくんは「アイドルやっていくんだろうが いいかげんハラくくれ」と、有香ちゃんのアイドルとしての甘さを一喝し、「最低限自分の健康管理くらい自分でしろ」と怒鳴り、有香ちゃんを置き去りにしていくのです。思いがけず怒られた有香ちゃんは、呆然としながらも、赤面してしまうのです。
さてさて、全国３９０万人のＭｉｎｋちゃんファンの皆様にはまたまた朗報。「ＤＡＲＬＩＮＧ ＨＥＡＲＴ」という歌が番組内で披露されます。これは、冒頭の口紅のＣＭソングとのこと。なお、この曲は「新曲のカップリング」であり、実は両Ａ面とのこと。我々の仲間には「迷子のマーメイド」のカップリング曲では？」という考察をしたものもおります。さて、番組進行のタレントさんが、口紅をつけているＭｉｎｋちゃんを見て「見て欲しい人はいるのかな？」との質問をします。この質問に答えたのかどうかは知りませんが、一旦Ｍｉｎｋちゃんは「いないもん」と打ち消し、歌を歌います。衣装とダンスからも、ポップな感じの曲だということがよくわかります。イリヤくんの作風の広さもうかがわせますね。歌っている途中で、「似合ってるじゃん」と口紅を誉めてくれるモッくんの面影が浮かびます。見て欲しい人は、いまここにいない…。Ｍｉｎｋちゃんは「先輩のバカァ」と、ついに自分の悲しさを口にし、行動化してしまいます。カメラに突然向かっていったかと思うと、キュートにジャンプしながら、カメラのレンズに口紅でハートマークを描いてしまうのです。テレビ画面には、ハートマークの中で可愛くウィンクするＭｉｎｋちゃんの映像が！！！ 全国３９０万人のＭｉｎｋちゃんファンの皆様は、この映像を見た瞬間ｌ、一撃で撃沈されたことでしょう。このハートマークを、Ｍｉｎｋちゃんはモッくんへむけて「転送」します。自分の想いをハートマークに乗せて届けたかったのですが、モッくんには、Ｍｉｎｋちゃんの切ない想いは、いまいち伝わっていないようで、読む我々をも一層切ない想いにさせてくれます。
さて、モッくんにおこられたせいで、モッくんに「ポー」となっている有香ちゃん。そんな有香ちゃんを利用した愛純ちゃんの企みが始まります。イリヤくんとＭｉｎｋちゃんがつきあっているというガセネタを有香ちゃんに教え、イリヤくんとＭｉｎｋちゃんをくっつけようとします。それによって、Ｍｉｎｋちゃんとモッくんを結果的に引き離そうと言う作戦です。Ｍｉｎｋちゃんの想いを利用した狡猾な作戦。今度の愛純ちゃんは、かなり手ごわく迫ってくることが予想されます。今後の展開、ますます目が話せませんね。
さてさて、今月号に関しては、全プレのバッグ「ファンシートート」のお知らせや、先月号でも紹介されたピンバッジのお知らせ、サイン会のお知らせなど、嬉しいお知らせが満載です。そのうえ、とっても嬉しいことに、来月号は、「電脳少女☆Ｍｉｎｋ」が表紙を飾るというのです！！！ 嬉しいお知らせがぞくぞくある最近の「Ｍｉｎｋ」。今後も広がるＭｉｎｋワールドに、さらなる期待大ですね。
第１２話「スキャンダルにご用心」（なかよし２０００年１０月号掲載）
今月は全国３９０万人のＭｉｎｋちゃんファンの皆様にとって嬉しい月でしょう。何と言っても、１０月号の表紙を、我等が女神ことＭｉｎｋちゃんが、１０ヶ月ぶりに飾っているのです♪ フルーツを抱えた南国的雰囲気。ブドウをつまんでお口のところで構えるポーズと、読者の皆様を見つめる視線に、萌爆ぶっこかれた皆様はきっと数多いことでしょう。
さて、いよいよ、全プレのバッグ（ファンシートート）や、抽選で当たるピンバッジなどのプレゼントが、応募できることになりました♪ 全プレのバッグは応募すれば必ずもらえるので、ファンの皆様は是非とも押さえておきたいところでしょう♪
さて、今月のカラー扉ですが…。見た瞬間にごろごろしまくった読者の皆様の姿が容易に想像できます♪ そう！！ ＶサインなＭｉｎｋちゃんもとってもキュートなのですが、それ以上に、夏制服で全身が写っているみんくちゃんがとてつもなく可愛らしいのです♪♪♪ あどけない表情で元気良く携帯を掲げるみんくちゃん（しかも夏服♪）なのです☆ これは、もう、こだわりも何もかも捨てて人目も気にせず存分に萌爆をぶっこくしかありませんですね♪ このページであなたの「変身」大募集グランプリの発表がなされています。ひねりの無い素朴な願望が立川先生の目にとまったようです。また、先月号で第２巻の表紙イラストが発表されていましたが、今度はロゴも入った表紙見本が出てきています。もう２巻発売も間近ですね♪
さて、気になるお話ですが、案の定あずみんの悪だくみから始まります。素直な有香ちゃんに、Ｍｉｎｋとイリヤの恋を応援するよう、それとなく誘導するのです。Ｍｉｎｋちゃんに憧れている有香ちゃんは、Ｍｉｎｋちゃんのためと思ったこともあるのでしょう。あずみんの作り上げた「芸能人どうしの恋」にすっかり感激し、あずみんの「作戦」に乗ってしまいます。ここであずみんが「悪魔」と化していますが、この悪魔なあずみんも密かにごろごろものでしょう。
一方であずみんは、ジョニ田を呼んで、イリヤとのスキャンダルなどをスクープするようけしかけます。人差し指を立てて「ぶりっこ」するあずみんがまた萌えもえなのですが、あずみんとジョニ田の交渉シーンは、「電脳少女☆Ｍｉｎｋ」の中ではかつて無いほどダークな雰囲気に満ち溢れたシーンになっています。
さて、場面は変わって、みんくちゃん、叶花ちゃん、真帆子ちゃんの３人は、どうやらＪＡＧＵＮＮＡのコンサートに行くもようです。最近出番が少なかったこの３人ですが、今月号では出番が大変多くなっており、久々に萌えられた皆様も多いことでしょう。みんくちゃんたちがイリヤくんのコンサートに行くのは、実はあずみんの差し金で有香ちゃんがＭｉｎｋちゃんにチケットをあげたからなのです。その時たまたま楽屋にいた叶花ちゃんと真帆子ちゃんまでが、有香ちゃんに「どよ〜ん」と迫って力づくでチケットを手に入れるのです。有香ちゃんは、モッくんの妹だからと、仕方無しにチケットを入手します。しかし、イリヤくんのファンな真帆子ちゃんはともかく、イリヤくんにキョーミがないはずの叶花ちゃんまでがなぜチケットをあんなにほしがったのかはちょっと謎です。もしかしたら、みんくちゃんと絶対に一緒に行きたいと思ったからでしょうか？ それはともかく、ＪＡＧＵＮＮＡのコンサートに行けるのが嬉しいみんくちゃんと真帆子ちゃんは、二人で一緒に「違う世界」へイッちゃっています。真帆子ちゃんまでが「違う世界」へイッちゃうというのは初めてのシーンです♪ 真帆子ちゃんファンの皆様は萌えるシーンですね♪ 同じコマで「御招待〜〜〜」と笑顔な叶花ちゃんもとっても可愛らしく、３人娘の魅力が今月は大サービスです。気になるみんくちゃんの服装ですが、チャイナ風の上着という、ちょっと変わった趣向であり、みんくちゃんのまた違ったセンスが見られることでしょう♪
そんな３人娘に、ジョニ田がアタックを仕掛けてきます。今まではＭｉｎｋちゃんへの直接のアタックのみでしたが、今度はいよいよ、３人娘にその魔手を伸ばしてきたわけで、さすがはジョニ田、恐るべし！…といったところです。Ｍｉｎｋちゃんと一緒にいる３人娘に接触すれば何かが得られると睨んだジョニ田は、みんくちゃんたちをストーカーのように追っかけます。
逃げるみんくちゃんのもとへ、モッくんから仕事の電話が急に入ります。せっかくのコンサートが潰れることを残念がる真帆子ちゃんですが、みんくちゃんは変身ができないことに焦ります。モッくんへの返事もろくにできません。どうにか変身しようととにかくジョニ田から逃げ回るみんくちゃんですが、焦るあまり、大切な携帯電話を落としてしまい、ジョニ田に拾われてしまうのです。
一方、事務所では、Ｍｉｎｋ（みんく）ちゃんに電話を入れたモッくんを有香ちゃんがとがめます。モッくんのＭｉｎｋちゃんへの想いを知らない有香ちゃんは、Ｍｉｎｋちゃんがイリヤくんのコンサートに行くので邪魔しちゃだめだというのです。真帆子ちゃん・叶花ちゃんとコンサートに行くＭｉｎｋ（みんく）ちゃんは、モッくんにはそのことは特に知らせてませんでした。モッくんは、Ｍｉｎｋちゃんがイリヤくんに「招待された」ことを知らないことに、とてもショックを受けてしまうのです。
さて、携帯が無いことに気づいたみんくちゃんたち。そこで、みんくちゃんは叶花ちゃんの携帯を借りて、自分の携帯に電話を入れます。電話口に出たのは、あのジョニ田でした。卑劣なジョニ田は、携帯を返す条件としてＭｉｎｋちゃんの情報をよこすように脅迫するのです。携帯を失ったみんくちゃんは、変身できなければモッくんの傍にいられなくなる自分に気づき、泣いてしまいます。変身なんかしなくてもモッくんの傍にいられる「ホンモノ」の有香ちゃん。それに対し、変身しなければモッくんの傍にいられない「ニセモノ」の自分。「白石みんく」としてモッくんに認めてもらえない寂しさ、悔しさ、悲しさが一度に渦巻き、みんくちゃんは泣くのです。物理的にはいつでも近い場所にいるだけに、その寂しさは、より辛くみんくちゃんを泣かせるのです。
余談ですが、叶花ちゃんの携帯もまた、折りたたみ式の「ＷＡＮＮＡ−ＢＥ仕様」ですね。もしかしたら、「ＷＡＮＮＡ−ＢＥ」の携帯は、叶花ちゃんの持ってる携帯をもとにして創りだしたのかもしれませんね♪
さて、泣いているみんくちゃんに、叶花ちゃんがまた助け舟を出します。叶花ちゃんの頭の冴えもありますが、何よりもみんくちゃんを想う気持ちが、普段クールな叶花ちゃんを熱く活動させるのかもしれません。以前活躍した「複製（コピー）」が再び登場。今度は、コピーＭｉｎｋを登場させ、ジョニ田の前に登場させます。このコピーＭｉｎｋを欲しいと思われた皆様もきっと数多いのではないでしょうか？ さて、コピーＭｉｎｋをみつけたジョニ田は、必死で追います。そんなジョニ田の前に、あちこちの画面に大小さまざまに登場するＭｉｎｋちゃんが入り乱れます。ふわふわと逃げまくりなコピーＭｉｎｋ。ジョニ田は必死で追いかけ、ついにＭｉｎｋちゃんの腕を掴みます。…と思ったら、実はＭｉｎｋちゃん風の髪型をした別の女性でした。ジョニ田はチカンと間違われてその女性に投げ飛ばされ、警察に連行されてしまうのです。最後に「バイバイ」と言いながら「ＧＡＭＥ ＯＶＥＲ」をジョニ田に告げるコピーＭｉｎｋの姿に、萌爆ぶっこかれた皆様は多いことでしょう♪ どうにか携帯を取り戻し、変身のできたＭｉｎｋちゃんは、急いでモッくんのもとに向かうのです。
さて一方、ＪＡＧＵＮＮＡのコンサート。スポットライトに照らされて熱唱するイリヤくんは、ある意味大変セクシーで、ファンの皆様もきっと心を奪われたに違いありませんね♪ あずみんはＭｉｎｋちゃんがここに来ているか見に来ましたが、結局Ｍｉｎｋちゃんは来ていませんでした。一方、リアル・レコードの社員が、「イリヤ・レーベル」の朗報を持ちこみます。おそらくはＭｉｎｋちゃんのプロデュース実績が認められたのでしょう。イリヤくんがついにプロデューサーとして本格的な再スタートを切るのです。この朗報の興奮覚めやらぬテンションのまま、イリヤはアンコールに応えるべく、ステージへと向かって行くのです。あずみんがこのビッグニュースをどう捉えたのかは不明ですが、相当驚きを隠し得ないようですね。
やっと仕事場についたＭｉｎｋちゃん。しかしモッくんは、Ｍｉｎｋちゃんの代わりに、有香ちゃんに仕事をすでに任せていました。Ｍｉｎｋちゃんが仕事をすっぽかしてイリヤくんのコンサートに行ったと誤解しているモッくんは、仕事にチコクしたＭｉｎｋちゃんを責めます。仕事やファンよりイリヤの方が大事なんだとモッくんはＭｉｎｋちゃんを責めるのですが、その本心は、自分の知らないところでＭｉｎｋちゃんとイリヤくんが関係を持っていたという嫉妬心からなのです。このモッくんの責めは、イリヤくんのコンサートをすっぽかして必死の思いで仕事場にやってきたＭｉｎｋちゃんの心を傷つけます。変身の秘密を明かすわけにはいかないＭｉｎｋちゃんは、チコクしたり連絡をとれなかったりした真実についての言い訳もできません。一方的に心を傷つけられたＭｉｎｋちゃんは、有香ちゃんがチコクしても怒らないのに何故自分だけが責められるのかと抗議し、「先輩のバカっ」と叫んで、傷心のまま泣いて去ってしまうのです。
モッくんとのすれ違いがますます拡大し、心理的に徐々に追い詰められて行くＭｉｎｋ（みんく）ちゃん。この状況が、今後のＭｉｎｋちゃんの活動にどう影響を及ぼしていくのか、とても心配になってきました。ハラハラドキドキなＭｉｎｋワールド、来月も目が離せません。
第１３話「アリス・イン・ワンダーランド」（なかよし２０００年１１月号掲載）
前回はモッくんとケンカして、泣きながらＭｉｎｋちゃんが去るというシーンで幕を閉じ、とても心が痛かった回でした。それだけに今月はＭｉｎｋちゃんが心配です。心がそわそわしたまま今月号を手に取った読者の方も多いことでしょう。Ｍｉｎｋちゃんは、モッくんと仲直りできるのでしょうか？
今月の扉はカラーではないのですが、地球をバックに子うさぎに扮したうさ耳Ｍｉｎｋちゃんです。察するに月のうさぎの設定でしょう。可愛らしいうさ耳、何気に口元に当てた人差し指…と、先月泣いてしまったＭｉｎｋちゃんが気になりながらも、萌爆ぶっこかれた皆様のお姿が眼に浮かぶようです。
さて、お話はいきなりパソコンの画面から始まります。パソコンを見た瞬間「のっけから叶花ちゃんの登場か？」と期待された叶花ちゃんファンの皆様には申し訳無いのですが、この髪型はどう見ても叶花ちゃんではありません。しかも、今月号には叶花ちゃんは出てこないのです。さて、何やらネットの掲示板にカキコをしているようですが、内容はイリヤの新レーベル、すなわち「イリヤ・レーベル」のようです。この情報を知っていること、そして、少し見えたこの素顔から、カキコしているのはあずみんであるとわかります。これは恐らく、Ｍｉｎｋちゃん潰しのあずみんの行動かもしれません。
このカキコのせいでしょうか？ またまく間に「イリヤ・レーベル」の噂は広がっていきます。街中の女の子たちも、「もしかして自分が？」という思いにかられるみたいですが、しかし、イリヤ・レーベルの第一候補として皆が認識しているのは、どうやらＭｉｎｋちゃんのようですね。イリヤくんとＭｉｎｋちゃんの仲についての噂が、世間でどんどん広がりつつあるような気配ですが…？
さて、場面は変わって、ショーウィンドゥに向かってなにやら話しかけているみんくちゃんの登場です。いきなりのドアップ＋うるうるお眼眼。みんくちゃんファンの皆様にはたまらなく萌える一コマではないでしょうか？ どうやら、マネキンを練習台にして、モッくんに謝る練習をしているようですね。泣き落としを試して見たり、明るく笑って見たりと、オムくんが呆れるほど「ちがう世界いきっぱなし」な状態でいろいろと試しているみんくちゃんが一見馬鹿げて見えますが、モッくんと仲直りしたいという健気さが見ていて痛々しく、かえって物悲しいシーンですらあります。前回、みんくちゃんは必死にジョニ田の追っ手を振りきって必死に仕事場へ駆け付けたわけで、みんくちゃんが悪いわけではありません。Ｍｉｎｋちゃんの言い分をろくに聞かずに疑ったモッくんがむしろ悪いのです。それでも、みんくちゃんは、先輩と仲直りしようと必死です。自分さえ謝れば、モッくんが許してくれる…。それだけを頼りに、みんくちゃんはどうにか元気を取り戻しているのです。この自分が謝れりさえすればというみんくちゃんのヤマトナデシコ的な健気さは、見ていてやはり不憫で、思わず涙が出てきます。仲直りのシーンを想像して口元に手を当てながらちょっぴり頬に涙が残るみんくちゃんと、その後の「ぽーーーーーーー」っとなっているコマのみんくちゃんが、とっても萌えます。やはりみんくちゃんは、オムくんが冷や汗流すほどのムカデ状態で「違う世界」へイッちゃってる姿がらぶりぃだと言えましょう。
さて、バードミュージックに掲げてある一つのポスター。なんと、コンサート「Ｍｉｎｋ ｉｎ Ｗｏｎｄｅｒｌａｎｄ」！！！ ３９０万人のＭｉｎｋちゃんファンが待ち望んだ、大型ステージです。いかにも「不思議の国のアリス（Ａｌｉｃｅ
ｉｎ Ｔｈｅ Ｗｏｎｄｅｒｌａｎｄ）」を彷彿とさせるステージタイトルは、想像するだけで萌えます。しかも、我がＨＰにて早坂未森さんに「アリスなみんくちゃん」を描いてもらったこともあり、なんだか、アリスとＭｉｎｋ（みんく）ちゃんとの間に、いろいろと宿命を感じざるを得ません。どんなステージなのでしょう？ ワクワクしてしまいます。さて、バードミュージックには、「Ｍｉｎｋが事務所移籍」なる怪文書がファックスにて流れます。全くの寝耳に水な情報に、当惑を隠せないモッくんです。一方、あずみんによってＭｉｎｋちゃんとイリヤくんの仲について吹き込まれている有香ちゃんは、「Ｍｉｎｋちゃんをしばらないであげて！ イリヤさんのところのほうが自由にはばたけるかもしれないじゃないですかっ」と言います。ただ、この発言の裏には、モッくんのＭｉｎｋちゃんへの想いに有香ちゃんが気付いたということも影響しています。有香ちゃんはモッくんに「鳥海さんにはあたしがいるじゃないですか…！」と抱きつきます。一方、Ｍｉｎｋちゃんは、今度こそモッくんに謝ろうと、意を決して事務所に入りますが、タイミング悪く、有香ちゃんが抱きつく現場を目撃してしまうのです。思わず「ぱにっく」になるＭｉｎｋちゃん。しかし、Ｍｉｎｋちゃんも負けじとモッくんの腕にまるでコアラのように抱きつき、有香ちゃんにアッカンベーするのです。このＭｉｎｋちゃんの行動、今までのＭｉｎｋちゃんを思うと、実はかなり大胆です。普段内気で、モッくんにもモジモジした態度であることが多いＭｉｎｋちゃんが、ここまで積極的な行動にでるというのは、かなりＭｉｎｋちゃんが必死であることがわかります。
さて、純粋にＭｉｎｋちゃんとイリヤくんがラブラブだと信じている有香ちゃんは、アリーナでのコンサートにイリヤくんを招待するのでしょうと尋ねてしまいます。そして、ラブラブなイリヤくんとＭｉｎｋちゃんの仲をうらやましがります。もちろんこれはあずみんが純粋な有香ちゃんを利用した「遠隔操作」なのです。余談ですが、この悪魔なあずみん、ファンの皆様には嬉しい萌えもえな「再登場」ですね♪ あずみんのもくろみどおり、モッくんはイリヤレーベル＆事務所移籍の話を自分は聞いてないと、Ｍｉｎｋちゃんを責めたてます。もちろん、Ｍｉｎｋちゃんにとって、こんな話は寝耳に水です。モッくんは嫉妬心からＭｉｎｋちゃんを責めてしまい、Ｍｉｎｋちゃんは、有香ちゃんの言うことばかり信じるモッくんにショックを受けてしまいます。もともと「先輩の役に立ちたい。喜ぶ顔が見たい」という「運命共同体」としてアイドルをしているＭｉｎｋちゃん。それがみんくちゃんがＭｉｎｋちゃんをやっている存在意義なのです。その存在意義が根本から崩れ落ちたとき、Ｍｉｎｋちゃんがこれ以上アイドルを続けられるのでしょうか？
Ｍｉｎｋちゃんとの仲たがいは、もちろんモッくんにとっても大変なショックでした。Ｍｉｎｋちゃんのことばかり考えていたモッくんは、バイクで転んでしまいます。しかし、Ｍｉｎｋちゃんとまともに話すとケンカになることを恐れたモッくんは、ついついＭｉｎｋちゃんを避けてしまいます。実は、なかなか自分の本当の気持ちに気付けないモッくんゆえの「逃げ」の行動なのですが…。モッくん、本当は仲なおりしたいのに…。素直になれないようですね。Ｍｉｎｋちゃんとマトモに話せないモッくんは、ついには言葉遣いまで他人行儀になってしまいます。これでは、もともと内気なＭｉｎｋちゃんはますます謝ることができません。「完全に避けられている」と、Ｍｉｎｋちゃんのショックはますます深くなる一方です。モッくんとの関係がまさに「迷宮入り」してしまったＭｉｎｋちゃんは、ステージの迷宮に迷い込むという設定に自分を重ね合わせ、ついつい、本番中にレポーターに「仲なおりできないのおおっっ」と本音をもらして泣きついてしまったりします。どうにか笑顔で最後にフォローを入れるＭｉｎｋちゃんですが、このあたりのＭｉｎｋちゃんは痛々しくて見ていられません。ところで、今回のコンサートは、やはり「アリス」がベースになっているようですね。このインタビュー時のＭｉｎｋちゃんのチャイナドレス、とても可愛らしさ抜群ですね。
さてさて、そんなＭｉｎｋちゃんを企みの眼で見つめるのは、あずみんとジョニ田です。さすがはジョニ田、ネットにイリヤレーベル情報を流したのはあずみんだと見破っています。しかし、その突っ込みに対し動じないあずみん、一枚上手です。このアップのウィンクあずみん、かなり魅力的なショットです。また、ジョニ田に「オレのオマエの仲じゃんか」と言われて、あずみんがジョニ田をぶっ飛ばすシーンもちょっとした見所でしょう。
「有香の収録がおわったらかならずいく」と言われていましたが、結局アリーナにモッくんは現れません。大きすぎるアリーナのステージに「たった一人」で向かうことになってしまうＭｉｎｋちゃん、不安が隠せません。Ｍｉｎｋちゃんには、モッくんの「必殺技」が必要なのですが…。そういえば「ＹＡＷＡＲＡ」というマンガにおいて、柔ちゃんが力を出しきるためには、松田さんの存在が必要でした。Ｍｉｎｋちゃんがステージに立ちつづけるためにはモッくんが必要なのに…。二人はまさに「運命共同体」なのです。切っても切り離せる関係ではないのです。非情にも、開演の時間になってしまいました。ファンのみんなが待っている…。このファンの声援に勇気を得て、どうにかＭｉｎｋちゃんはステージに立つエナジーを得ます。
一方のモッくんですが、なかなか有香ちゃんの収録が終わりません。イリヤくんもこれにはイライラしているのか、「ぷろでうさあ」さんが詫びを入れています。実は、あずみんの策略により、有香ちゃんが収録時間を引き延ばしているだけなのですが…。モッくんは、大きなアリーナに立たなければならないＭｉｎｋちゃんのことが心配で仕方ありません。「自分がいかなければ…」という想いにかられるモッくん。モッくんは、しびれを切らして、ついにアリーナへ行こうとしかけます。しかし、モッくんよりも一瞬早くシビレを切らして行動したのは、なんとイリヤくんでした。イリヤくんは、Ｍｉｎｋちゃんのもとへ駆けつけるべく、車でアリーナへ向かってしまいます。イリヤくんが車のキーを受け取る３段ぶち抜きのシーンはキザったらしさのないごく自然な、しかしながらとてもカッコイイシーンになっています。モッくんの乗っているのは、どうやらベ●ツでしょうか？ あと、初登場のイリヤのマネージャー宮ちゃん（宮田くん）も、イリヤファンの皆様の要チェックポイントでしょう。イリヤに先を越されたモッくん。有香ちゃんの言葉にも惑わされ「Ｍｉｎｋのためにオレはいないほうがいいのか？」と、自分のＭｉｎｋちゃんに対しての存在価値を見失いかけるのです。
さて、アリーナのアリスと化したＭｉｎｋちゃん。エプロンドレス風の衣装におおきなリボンという格好に、３９０万人のＭｉｎｋちゃんファンの皆様が悶絶ぶっこかれている姿が容易に想像できます。不思議の国の住人たちと一緒に、数々の可愛らしい衣装で登場するＭｉｎｋちゃんのステージ。これはもう、たまりません！ シーンはやがて、三日月に寄りそうアリス、いや、Ｍｉｎｋちゃんのシーンになりました。ところが、アクシデントがおこり、Ｍｉｎｋちゃんは三日月からずり落ちそうになってしまいます。迷宮に今まさに落ちようとしているＭｉｎｋちゃん。必死でモッくんに助けを求めますが、モッくんは現れません。手をすべらせ、ついに落ちてしまうＭｉｎｋちゃん。危ない…！！！
しかし、ここで最高のナイトが登場するのです！！ 落ちるＭｉｎｋちゃんを助けるためにステージに駆けあがってきたナイト。それは、イリヤくんでした！！！ 小柄なＭｉｎｋちゃんとはいえ、落ちてくる人間を受けとめるというのはキケンなことなのに、そのキケンを顧みず、イリヤはＭｉｎｋちゃんを迷わず救いに駆けつけました。アリス、いや、Ｍｉｎｋちゃんを抱きとめるイリヤの背中のカッコ良さ！！！ このシーンの素晴らしさは、どんな言葉にも代えられません。「……よかった アリスがぶじで」と、この状況に及んで、イリヤは冷静に演出されたセリフを語ります。もしかしたらこれは、イリヤの「なりきり病」の一側面なのかもしれません。とにかくもう、観客たちは、演出かハプニングかと大騒ぎ。大パニックです。そしてそれ以上に、Ｍｉｎｋちゃん自身が、この夢のような体験に酔いしれ、涙を流します。ずっとテレビのブラウン管で憧れた王子様。その王子様が、等身大人形でもパスケースの写真でもなく、現実のナイトとして、自分を抱きとめてくれたのです。手が届いたのです。「手が届く」という言い方は、かつてセイントテールでもアスカＪｒ．の告白シーンに関係する重要なワードでしたが、そのシーンを半ば思い起こさせる名シーンでもあります。そして、もう一つ重要なのは、Ｍｉｎｋちゃんの内面には、この体験で劇的なインパクトが与えられることです。第１話で助けてくれたのは「イリヤの等身大人形ではない背番号２０番の人（モトハル先輩）」でした。しかし、今助けてくれたのは「等身大人形ではないホンモノのイリヤくん」なのです。モッくんとイリヤくんが、Ｍｉｎｋちゃんの内面で、同一のフレーズのなかでいつのまにか入れ替わっているのが重要なポイントなのです。この無意識の入れ替わりが、今後Ｍｉｎｋちゃんとイリヤくん、そしてモッくんとの関係にどんな変化をもたらすのでしょうか？
いずれにしても、イリヤくんの突然の登場に、アリーナは大興奮です。そのままイリヤくんは、エレキギターを持ってステージに飛び入り出演するのです。このイリヤくんとＭｉｎｋちゃんのステージ共演には、観客たちも大喜びです。そして、いつのまにか、イリヤレーベルでイリヤが育てるのはＭｉｎｋちゃんだということ、そして、ふたりが付き合っているということが、３９０万人のＭｉｎｋちゃんファンたちの暗黙の了解になっていってしまうのです。じわじわと、ジョニ田の狙う方向に、世間の噂が一人歩きし始めてしまうのです。
結局Ｍｉｎｋちゃんは、モッくんと仲なおりできませんでした。それどころか、イリヤくんを交えて、今後のＭｉｎｋ（みんく）ちゃんの恋の展開も複雑になってきました。大激動の今回のお話を読み終えて、ますます今後の展開に目が離せなくなってきました。一体Ｍｉｎｋワールドはどんな方向へ行くのか？ 期待と不安が入り混じった想いで一杯です。
第１４話「ラスト・クリスマス」（なかよし２０００年１２月号掲載）
モッくんとのすれ違いが大きくなる一方で、コンサートのピンチを劇的な登場で救ったイリヤの存在が急にＭｉｎｋちゃんにとって大きくなってきつつあります。今月号では、Ｍｉｎｋちゃん、モッくん、イリヤの関係がどうなっていくのかが、読者の皆様の大きな関心でありましょう。
さてトビラですが、先月号では特にカラーという予告はなかったのですが、今回もとても素敵なカラーにてＭｉｎｋちゃんが登場です♪ 天使の羽に水色のドレス。そしてアオリ文句は「クリスマスイブ。あなただけの天使になるの……。」。愛らしくも少し切なさも交えた笑顔で見上げるその姿に、クリスマスイブをＭｉｎｋちゃんだけに捧げる決心をなさったファンの皆様も大変多いことでしょう。ここにいるのは、「アイドル」ではなく、一人の「恋するおんなのこ」としてのＭｉｎｋちゃんです。その視線の先にいるのは、モッくんなのでしょうか？ それとも…？？？
さてさて、本編ではこれから何やらパーティが始まる様子です。真帆子ちゃんや叶花ちゃんは、イリヤに助けられたみんくちゃんにツッコミを入れますが、みんくちゃんは堂々とごまかしてしまいます。以前のみんくちゃんだったら、もしかしたらふたりの突っ込みにタジタジとなるだけのような気がしますが、ここでは難なくかわしています。アイドルとしての経験、そして恋愛経験が、みんくちゃんを少し成長させたのでしょうか？
さて、例によって変身ですが、Ｍｉｎｋちゃんのパーティドレスは、なかなかユニークなデザインです。池の中央のドームでの変身シーンは、ちょっと幻想的ですね。ところで、今回のパーティですが、イリヤ主催のクリスマス・パーティとのこと。そしてこのパーティではイリヤの新レーベル「Ｇａｒｕｄａ
Ｉｌｌｉｙａ Ｌａｂｅｌ（ＧＩＬ）」たちあげの記者会見が行われるとのことなのです。バードミュージックの関係者も招待されるなど、イリヤに関連のある業界人が多数集まっているようです。この状況を見逃さないのが真帆子ちゃん。何十枚もの色紙を片手に炎を燃やす真帆子ちゃんは、既に違う世界にいってしまっているようです。一方のＭｉｎｋちゃんは、モッくんと仲直りできないままイリヤのパーティに出ることに、寂しさとうしろめたさととまどいとときめきを一度に感じてしまうのです。ところで、ＧＩＬのロゴマークですが、なんとなく羽ペンをイメージしたようなデザインという気がします。
さて、パーティ会場には、ジョニ田、あずみん、有香ちゃん、モッくんが来ています。ジョニ田とあずみんが公の場で堂々とツーショット！！ Ｍｉｎｋちゃんつぶしのために二人がつるんでいることは承知ではありますが、あずみんファンの読者の皆様にとって、許せないシチュエーションかもしれません。そして、有香ちゃんとモッくんのツーショット。なんだかこのシーンにやるせなさを覚えてしまうのは気のせいでしょうか？ マネージャーとアイドルという関係上、この二人が一緒にいることはおかしくはないのですが、運命共同体を誓った二人の姿が無いのは、なんだか切なくなってしまいますね。
さて、記者会見では、当初行うはずのオーディションを行わずにＭｉｎｋちゃんを選んでＬＡにレコーディングに連れていくのでは？…との質問が飛びます。これは、巷でかなり盛り上がっている噂です。この噂について火に油を注いだのは、先月号でネット掲示板にカキコをした他ならぬあずみんですが、そうでなくてもＭｉｎｋちゃんが選ばれるであろうという噂がある程度立つのは当然の結果だったかもしれません。この質問を聞いて、モッくんはショックのあまり食器を素手で潰してしまい、手から流血してしまいます。どうやらモッくん、Ｍｉｎｋちゃん関連でショックを受けると、条件反射的に事故を起こしてしまうようですね。自分のもとからＭｉｎｋちゃんが離れていく…。このことは、モッくんにとって大きくのしかかります。しかし、モッくんがＭｉｎｋちゃんを引き止めようと行動しないのはなぜでしょう？ それは、モッくんが心からＭｉｎｋちゃんのためを想っているからなのです。Ｍｉｎｋちゃんが自由にはばたくために自分はいないほうがいいのでは…？？？ モッくんの頭からこの考えが離れません。Ｍｉｎｋちゃんを本当に想っているからこその行動へのためらい。しかし皮肉にも、それがＭｉｎｋちゃんを苦しめていることにもなっているのですが…。Ｍｉｎｋちゃんがアイドルを始めたきっかけは、そもそもモッくんのためだったはずです。Ｍｉｎｋちゃんがこの目標を失ったとしたら、いったいどうなるのでしょうか…？？
イリヤは「Ｍｉｎｋちゃんにいっしょにきてもらいたい」と公然と言い放ちます。そこへ、良くも悪くも絶妙のタイミングでＭｉｎｋちゃんが登場してしまいます。予断ですが、会場にやってくる小さなコマに描かれている叶花ちゃんのスーツ姿、実によくキマッています。会場の注目は、シンデレラことＭｉｎｋちゃんに一気に集中します。イリヤと並んで壇上にお雛様状態でまつりあげられ、恋人宣言とまで騒がれる中、Ｍｉｎｋちゃんは何も弁明できずにパニック状態となってしまいます。注目の２人をうつろな眼でみつめるモッくん。Ｍｉｎｋちゃんのことを想うあまり「やっぱりオレはいないほうが…」という考えにとらわれているモッくんは、二人の間に割ってはいることもできずに立ち尽くしてしまいます。しかし、本当に相手のことを想うなら、まず自分を大事にしなければならない…。このことをモッくんはわかっていないのです。モッくんにできたことは、記者の質問ぜめに翻弄されるＭｉｎｋちゃんを救うべく、記者たちにコショウを振り撒くことだけでした。自分を助ける行動に出てくれたモッくんの姿に、Ｍｉｎｋちゃんはときめくのですが、それもつかの間。「屋上にヘリを用意した」というイリヤに誘導されるまま、Ｍｉｎｋちゃんは「ヘリって！？ ヘリってなに！？」と混乱しながら屋上に向かうのです。まさかヘリが何であるかがわからないわけではないでしょうが、自分の意図せぬままに激変する状況に翻弄される自分にとまどっているのでしょう。それに、ヘリなんて常識で考えて普通用意されているはずもありません。このとんでもない状況でわくわくしてしまっているイリヤの「変」な側面が、思わず露呈されていると言えましょう。一方のモッくんは、Ｍｉｎｋちゃんを救うべく記者たちの前に立ちはだかりますが、あっけなく倒されてしまいます。「ぶひ」っと鼻をつまむ記者達の前では、もはやコショウも通用しなくなってしまいました。
さて、屋上には本当にヘリが用意されていました。本当にヘリを調達するイリヤは、やはりかなり「変」です。Ｍｉｎｋちゃんは、ヘリに乗るよう促されながらも、自分を守るために記者達にもみくちゃにされているモッくんのことが気になって仕方ありません。ためらうＭｉｎｋちゃんにモッくんは、「いいからいけっ」と叫びます。記者連中は「イリヤくんのところに！？」と突っ込みますが、もちろんそうではありません。モッくんはただ「早く逃げろ」という意味で言ったにすぎませんでした。しかし、記者連中の言葉を真に受けてしまったのか、Ｍｉｎｋちゃんはモッくんの言葉を誤解して、「あたしがいなくなっちゃってもへいきなんだ！！」と叫んでしまうのです。ヘリのプロペラ音とざわめきのなかで、Ｍｉｎｋちゃんとモッくんのかみ合わない口論が続きます。有香ちゃんにばかりついているモッくんを責め、一人でいる不安を訴えるＭｉｎｋちゃん。そして、自分が今必死になって押さえつけようと必死になっている騒ぎの原因を責めるモッくん。そして次第に二人は、本当の自分の気もちを告白します。モッくんと一緒の「運命」が回っていると訴えるＭｉｎｋちゃん。「こんなふうにドキドキするのは先輩だけ……」というＭｉｎｋちゃんの一途で健気な想いは、思わず涙を誘います。そして、Ｍｉｎｋちゃんと一緒に運命を作りたかったというモッくん。お互いがいたからこそ、何もこわくなかった二人。まさに「運命共同体」だった二人。その気持ちを確かめあおうとしたのに、お互いの声はヘリの音にかき消されてしまいます。「届いて」というＭｉｎｋちゃんの願いは、無情にもかき消されてしまったのでしょうか…？ ただ、Ｍｉｎｋちゃんに聞こえたのは「運命」というモッくんの確かな言葉だけでした。「運命」がまだ一緒に回っている…。そのことにＭｉｎｋちゃんは、かすかな希望を抱くのです。
健気なＭｉｎｋちゃんは、自分からモッくんにあやまりに行きます。実はもともと悪いのはどちらかと言えば勝手にＭｉｎｋちゃんを疑ったモッくんのほうなのですが、自分があやまればモッくんと仲直りできるという思いでＭｉｎｋちゃんはいっぱいです。この健気さ、不憫さに、思わず涙が出てしまいます。バードミュージックにやってきてみると、なんと「ガイア・プロダクション」の人間がモッくんにＭｉｎｋちゃん移籍の交渉を大金を積みながら行っていました。モッくんとの運命共同体＝バードミュージックから離れたくないＭｉｎｋちゃんは、ドアからこっそり覗きながらも断って欲しいと願います。しかし、Ｍｉｎｋちゃんは信じがたい光景を目にします。モッくんは大金に手を触れ、その口からは「……はい…」という言葉が聞こえるのです。信じていたモッくんが自分を「売った」ことは、Ｍｉｎｋちゃんにとって一番信じたくないことでした。「先輩にとってあたしはただの…商品だから」と、捨てられたショックのＭｉｎｋちゃんは、ただただ泣きじゃくるのみでした。しかし、バードミュージックの財源が苦しいことも、Ｍｉｎｋちゃんにはよくわかっていました。モッくんのことを想うあまりＭｉｎｋちゃんは、「あたしが移籍すればバードミュージックはやっていける」と、「先輩にできる最後の…」ことを決意してしまったのでしょうか？ モッくんを想うあまりのＭｉｎｋちゃんの悲壮な思い。しかしそれが皮肉にも、モッくんを苦しめることにも繋がるのです。本当に相手のことを想うなら、まず自分を大切にしなければならない…。このことをＭｉｎｋちゃんもまたわかっていないのです。
皮肉なことに、モッくんは移籍に承諾したわけではありませんでした。モッくんは結局「はい…なんていうと思うか…っ」と、移籍金を撥ね付けます。モッくんにとって、まさしくＭｉｎｋちゃんは「値打ちのつけようもないくらいのダイヤモンド」、いや、それを超えるほどかけがえのない存在なのです！！ たとえＭｉｎｋちゃんの移籍を許したとしても、金では絶対に取り引きしない…。これが、モッくんのＭｉｎｋちゃんに対する想いの深さの証明なのです。しかし、皮肉にもこの想いはＭｉｎｋちゃんに届き損ねてしまいました…。このモッくんの想いがＭｉｎｋちゃんに届く日は来るのでしょうか？
一方、イリヤはＭｉｎｋちゃんを呼び出します。大事な話があるというのですが、イリヤはなかなかきりだそうとはしません。そういえばイリヤくんはめがねをかけていますが、裸眼で自動車を運転していたことを考えると、この眼鏡はカモフラージュのためのダテ眼鏡でしょう。このイリヤはかなり知的な魅力が爆発です。この眼鏡のイリヤに萌爆ぶっこかれたイリヤファンの皆様も多いのではないでしょうか？ しかもイリヤは「甘党」とのこと。本気で甘党なのか？ はたまたＭｉｎｋちゃんを前にしたパフォーマンスなのか？ それともなりきり病の症状なのか？ いずれにせよ、イリヤとミスマッチな「甘党」のイメージに、イリヤの新たな一面がまた見出されましたね。
本題を切り出さずに街を歩くイリヤくんと、寄り添って歩くＭｉｎｋちゃん。広場のクリスマスツリーに初雪。とてもロマンチックなシチュエーションです。おもむろに一年前のデビューの思い出を語り出すイリヤ。その時、Ｍｉｎｋちゃんの頭に思い出されてくるのは、モッくんとともに過ごしてきた一年間の鮮明な思い出でした。何もかもが変わらずにいる中で、もっとも大切なモッくんがいない…。その哀しさにＭｉｎｋちゃんは泣いてしまいます。Ｍｉｎｋちゃんの真意をはかりかねて戸惑うイリヤくん。そこへ、一般人が二人を見つけてしまいます。Ｍｉｎｋちゃんをかくまおうと、自分のほうへＭｉｎｋちゃんを引き寄せて、イリヤはコートの影にＭｉｎｋちゃんを抱き寄せてしまいます。「オレのところにおいで」と、自分の思いのままに誘うイリヤ。しかし、Ｍｉｎｋちゃんの頭にあったのは、やはり愛しいモッくんのことでした。モッくんの夢のために、Ｍｉｎｋちゃんは移籍を決めたのでしょうか？ イリヤくんの誘いに、泣きながら「…はい…」と答え、心の中でモッくんに別れを告げてしまうのです。
すれちがうまま、移籍の流れに巻き込まれていくＭｉｎｋちゃん。しかも、イリヤくんに抱き寄せられたところを、なんとあのジョニ田に写真に撮られてしまいます。心の支えを、アイドルとしての存在目的を失ったＭｉｎｋちゃん。ただかろうじて「先輩のために」との想いだけが、Ｍｉｎｋちゃんを支えているのです。しかし、その自己犠牲の想いが結局はモッくんのためにさえならないのです…。そのことにＭｉｎｋちゃんが気づく日が来るのでしょうか？ 波乱のＭｉｎｋワールド。次号もますます気になり、目が離せません。
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