最終話（２００２年なかよし８月号増刊なつやすみランド掲載）※萌爆版はこちらからどうぞ（笑）
☆おとこわり：コミックス３巻発売時点で、各話の話数番号が確定致しましたので、ラベルの貼りなおしを実施致しました。
☆おことわりその２：このコーナーも容量が大きくなってしまったので、ファイルを分割しました。ここにはコミックス未収録分を掲載。
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最終話（２００２年なかよし８月号増刊なつやすみランド掲載）
Ｍｉｎｋちゃんたちの物語は時を止めたまま、結末を迎えずに半年の歳月が流れました。しかし、立川先生は決して私たちファンのことを、そして、みんくちゃんたちのことを忘れてはいませんでした。私たちの信じたとおり、立川先生は、決して期待を裏切りませんでした。立川先生は私達ファンのために、そして、愛する自分の「子どもたち」であるみんくちゃんたちのために、この物語を完成させるという約束を果たしに、誌上へもどってきてくださいました。どんな事情があったにせよ、本誌で一度打ち切られた物語に自ら決着をつけることは、辛く、決して容易では無いことと思います。しかし、作品への想い、みんくちゃんたちへの想い、そして、ファンたちへの想いを大切に考える立川先生だからこそ、こうして誌上でその最後の物語を展開してくださったのです。まずは、この立川先生からのみんくちゃんたちへの、そして、私たちファンへの大きなプレゼントに対して、心より感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
始まりがあればいつか終わりが来る…。そう、物語はいつか幕を閉じねばなりません。物語が完成されるよろこびと、終わってしまうことへの寂しさ…。複雑な想いが交錯します。しかし、今回の最終回は、決してみんくちゃんたちとのお別れを意味しません。私たちが物語の中に隠された、立川先生からの、そしてみんくちゃんたちのメッセージを見出すこと…、それによって、私たちは永遠にみんくちゃんたちとの語らいを続けることができるのです♪
皆様の様々な想いが交錯する中、最終回をむかえるこの物語を、決して目をそらすことなく追ってみることにしたいと思います。万感の想いをこめてお送りする、「電脳少女☆Ｍｉｎｋ」に関する最後の解説です。
さて、冒頭のカラーでは、いきなり、Ｍｉｎｋちゃんとモッくんの結婚式のシーンが！！！？？？ ここで重要なのは、「Ｍｉｎｋ」であることです。本来バーチャル・ガールであるはずのＭｉｎｋちゃん。１回あたり３時間しか変身を継続できないＭｉｎｋちゃん。偽りの姿のままの結婚式…？？？ これは果たして真実なのでしょうか？？？？ なお、このカラーのシーン、かつて本誌の付録カレンダーでもＭｉｎｋちゃんのウェディングシーンが描かれましたが、あらためて見ると、大変かわいらしく綺麗で、３９０万人のＭｉｎｋちゃんファンの皆様も大いに萌えられたでしょうし、同時に、モッくんに渡すものかと相当叫びまくったファンの方々もものすごく多いのではないでしょうか？
さて、それにつづくカラー扉♪ みんくちゃんとＭｉｎｋちゃんが背中合わせで腕を組んでいるシーン。そして、バックには羽根が…？？？ 天使の羽根の象徴なのでしょうか？ モッくんがＭｉｎｋちゃんに見出してきた「ダイヤモンドの光を宿した天使の羽根なのでしょうか…？？？ そして、その羽根の意味するところ、その羽根をもつ本当の姿とは？？？ 扉のあおり文句「Ｍｉｎｋとみんく 二人でひとり（はぁと）」の意味するところとは？？？ 今までに私が提起してきた、本作品から読み取れる数々の問題意識に対する回答がここに凝縮されていると見るのは、果たして深読みのしすぎと言い切れるのでしょうか？？？
先ほどのＭｉｎｋちゃんの結婚式を制止しようとする一人の人物…？？？？ 「そのキス ダメーーーッ！！」必死に叫びながら、大きな音をたててそこに飛び込んできたのは、なんと、みんくちゃんだったのです！！！！！ Ｍｉｎｋちゃんはみんくちゃんの変身した姿のはず…？？？ ここからすでにこのシーンが、現実のシーンでないことは容易に想像がつくと思います。愛しい先輩が取られてしまう？？？？ みんくちゃんは、必死に止めようとしながらも、目の前の現実に戸惑っています。目の前にいるのが「自分」であるにもかかわらず、先輩の相手はみんくではない？？？？ そんな戸惑うみんくちゃんの方をふりむいてみつめるモッくんとＭｉｎｋちゃん。怪訝そうな表情のモッくんとは対照的に、微笑をうかべてみつめるＭｉｎｋちゃん。その、どこか優越感を含むような表情は、見た瞬間思わずゾッとする冷たさを含んだ微笑です。
案の定、このシーンは、みんくちゃんの夢だとわかります。ベッドから転げ落ちて起きるみんくちゃん。夢のシーンのモノローグ「どうなってるのこれーーっっ！！」は、明らかに「夢を見て」いた「みんく」ちゃんのモノローグですので、この夢のシーンは、みんくちゃんは「Ｍｉｎｋ」を客体化してみていたということになります。本当は「Ｍｉｎｋ」は自分自身の変身した姿であるはずなのに、みんくちゃんは夢の中で「Ｍｉｎｋ」にモッくんを取られているのです。今までは、「Ｍｉｎｋ」としてモッくんのそばにいる自分の状況にみんくちゃんが満足しているかのように見えました。しかし、このシーンは、決してそんな状況ではありませんでした。みんくちゃんが「Ｍｉｎｋ」に先輩を取られることを、意識した夢なのです。「みんく」としてモッくんのことが欲しいというみんくちゃんの想いが。ここで初めて現れてきたのです。みんくちゃんをみつめる「Ｍｉｎｋ」の冷たい優越感を秘めた微笑…、それは、みんくちゃんが「Ｍｉｎｋ」に抱く、劣等感の投影なのです。
さて、モッくんからの呼び出しを受け、いつものとおり変身して仕事に向かうＭｉｎｋちゃん。今回のお仕事は、環境保護のキャンペーンガールとして、船上パーティに出席するというのです。打ち合わせの時に、モッくんはこの前のコンサート（カウントダウンライブ）のようにいなくなるのは絶対ダメだと念を押します。その忠告にドキっとするＭｉｎｋちゃん。忽然と姿を消して、疑念を抱かないはずがないと、Ｍｉｎｋちゃんは気が気ではありません。秘密がバレ、「Ｍｉｎｋ」の正体が「みんく」とバレたら、自分はもう先輩の傍にはいられない…！！！ そんな恐れから、Ｍｉｎｋちゃんは、未だに本当のことをモッくんに告げられずにいます。そして、仮にモッくんが正体を知ったうえで「Ｍｉｎｋ」を受容してくれたとしても、「みんく」としての自分は受け入れてもらえないのではないか…？？？ そのことも無意識の恐れとして、みんくちゃんが本当のことを言えない原因となっているのです。冒頭の夢のシーンは、そんなみんくちゃんの恐怖の描写でもあります。
さっきからずっとＭｉｎｋちゃんを睨んでいるモッくん。ずっとＭｉｎｋちゃんが考え事をしている点が気になっているのか、それとも…？？？ それに気づいたＭｉｎｋちゃんは、自分の心境を悟られまいとして、なんとか話題を逸らそうと必死です。Ｍｉｎｋちゃんはモッくんの誕生日の話題に触れます。何か欲しいものがあるかと。少し何やら、物憂げに考えるモッくん。そして、真剣な表情でモッくんは「…Ｍｉｎｋ……」と言います。ドキっとなるＭｉｎｋちゃん。突然呼ばれたことにドキっとなったのか？ それとも、「欲しいもの」を問うて「Ｍｉｎｋ」と言われ、「欲しいもの＝Ｍｉｎｋ」と言われたと感じたのか？ この疑問は、Ｍｉｎｋちゃん自身も疑問として一瞬戸惑ったことでしょう。「単に呼ばれた」のか「欲しいものがあたし（Ｍｉｎｋ）」なのか…？？？ しかし考える間もなく、モッくんはＭｉｎｋを仕事へとせかします。
いつもどおり、ステージで歌うＭｉｎｋちゃん。それを、何やら物憂げにみつめるモッくん。Ｍｉｎｋちゃんと出会った時の「約束」が、ふと脳裏によぎります。「あたしがだれなのか きかないで…」。その約束を固く遵守し、一度もそれを聞かなかったモッくん。しかし、Ｍｉｎｋちゃんは何回か、モッくんの前から「消え」かけました。Ｍｉｎｋちゃんに消えてほしくない！！ モッくんのゆううつなまなざしは、そんな自分の願いがいつか届かなくなるのではないかという不安にかられます…。そしてモッくんは、なぜかその胸に秘める想いを、今まで口に出して来ませんでした。それは、モッくんのシャイネスゆえなのか？ それとも、自分の想いに対して鈍感だからなのか？ それとも…？？？？
そんなモッくんの憂いとは裏腹に、Ｍｉｎｋちゃんは、モッくんへのプレゼントを一生懸命考えていました。もともと、料理など、家事の腕がところどころで見られたＭｉｎｋ（みんく）ちゃんは、さしたる抵抗も感じずに手づくりを考えます。そして、いつものとおり、モッくんとの甘いシーンを想像して「違う世界」へイッてしまうＭｉｎｋちゃんですが……？？？？？ ちょっとここでＭｉｎｋちゃんの想像に注意してください。ここでのＭｉｎｋちゃんの想像は、あくまで「みんく」ちゃんになっています。そういえば、花火大会の時も、あくまで「みんく」ちゃんとしてのモッくんとの甘いシーンの想像になっていました。それまでは、「Ｍｉｎｋ」としての甘いシーンに甘んじていたのですが…。想像シーンの主役が「みんく」ちゃんであることは、プレゼントをあくまで「みんく」として渡すことを意識していると言えます。花火大会の時も「みんく」としてアプローチしておきながら、結局しくじったみんくちゃん。しかし、あの時みんくちゃんは誓いました。「しっかりして みんく あたしもがんばらなきゃ 先輩の瞳の先にあるものがあたしでいられるように バーチャル・ガールに負けないように」…と。
そんなＭｉｎｋちゃんの背後から、突然ツッコミを入れるのが、あずみんとジョニ田です。実に１年半ぶりの登場で、この２人のファンの方々は大変に歓喜なさったことでしょう♪ なつかしいキャラクターの登場は、読者サーヴィスとも言え、それは同時に、この物語が終わることをも想像させます。それはともかく、ジョニ田と言えばスキャンダル、あずみんといえばＭｉｎｋのライバル…。なにやら最後にとんでもないことが起きなければいいのですが…？ そんな不安のとおり、この２人は、Ｍｉｎｋちゃんとモッくんが「ズバリ できてるよね！？」と言いがかりをつけます。まあ、Ｍｉｎｋちゃんたちも気になりますが、ジョニ田の肩になれなれしく平気で寄り添っているあずみんの方がよほど気になるという方も多いようですが…。いったいこの２人、なにゆえ今まで関係が続いているのでしょうか？ この２人自体がスキャンダルになってしまう危険もありますよね。それはともかく、Ｍｉｎｋちゃんの態度を見ても、モッくんの態度をみても、あきらかに２人は互いに惹かれあっているのですが…？？？？ 告白もしてないのに「できてる」などと言われて、赤面すると同時に戸惑うＭｉｎｋちゃん。そして、Ｍｉｎｋちゃんのスキャンダルを狙うジョニ田とあずみんは、船上パーティへ乗り込むと言います。そしてさらに、ジョニ田は言います。手作りプレゼントが最悪だと。呪われそうで怖いだの、とくに興味のない女からのは
だの、いろいろ言われ、Ｍｉｎｋちゃんはすっかりショックを受けてしまいます。本当は、手作りかどうかとかは問題ではなく、あくまで「みんく」ちゃん自身の気持ちの問題なのですが…。ジョニ田の言葉に簡単にショックを受けてしまうところに、「みんく」ちゃんの弱さがあり、その弱さが、「みんく」として、ほんとうの自分を出せない弱さにも繋がっているのです。絶対に渡すと誓いながらも、「先輩まっててねプレゼントもっていくからね でも なにがいい どうしよう まだ まよってる大作戦2002」…と、もうみていてかわいそうなくらい、自信が揺らぐ「みんく」ちゃんなのです…。
学校で真帆子ちゃんと叶花ちゃんに相談するみんくちゃん。いよいよついに告白かというみんくちゃんを、真帆子ちゃんも叶花ちゃんもやさしく励まします。もうデリートされる心配も無いから、堂々と告白できると真帆子ちゃんは励まします。これは、Ｍｉｎｋの正体を明かして堂々とおつきあいができるよ、という意味なのでしょう。でも、みんくちゃんは言います。「告白はぜったい“白石みんく”でするって…」と。みんくちゃんは、これだけはウソつきたくないと思います。Ｍｉｎｋとしてそばにいたけど、それはバーチャル・ガール（もう一人の自分）…。ほんとうの自分として、「みんく」として、どうしても先輩と両想いになりたい…。自分に自信を持てず、ずっとＷＡＮＮＡ−ＢＥに依存してきたみんくちゃんでしたが、心の奥底にまだしっかりと在る「みんく」としての自尊心は、ほんとうの自分を先輩に認めてもらいたがっていました。先輩の瞳の先にあるものは「みんく」でいたい…。その想いをしっかりと真帆子ちゃんと叶花ちゃんに告げるみんくちゃんの表情…！！！ この美しいみんくちゃんの表情をごらんになってください！！！ みんくちゃんが今までに、これほど美しい表情をしたことがあったでしょうか！！！？？？ やっと「みんく」として、自分を出す決心をした少女の強さが、この美しい表情に表れています。この美しいみんくちゃんの表情に、萌えられた皆様も多いことでしょう。
しかし、そう言いながらも、「先輩 Ｍｉｎｋにはやさしいけど あたしは ただの 妹の友だちだし……」と、自信の揺らぎを見せます。どちらも自分なのに…「Ｍｉｎｋ」にはやさしいのに…。そんなみんくちゃんに対し、叶花ちゃんは「バカ そんなの わかんないよ」と、叱咤します。みんくちゃんの恋を応援する叶花ちゃんの想いが伝わってくる一言です。
しかし、何をあげるかという点で、まだみんくちゃんは迷っています。趣味の合わないものは最悪などと二人から指摘され、ジョニ田の指摘に続いてショックを受けるみんくちゃん。それにしても、叶花ちゃんの言うもらうと困るプレゼントの例は、かなりぶっとんでますね☆ 真帆子ちゃんの指摘するとおり、等身大モアイとかダイオウイカのぬいぐるみなんて、あんまし贈る人はいないような気もしますが、叶花ちゃんは「もらったことがある」のでしょうか…？？？ それはともかく、ジョニ田や叶花ちゃんや真帆子ちゃんの指摘にいちいちグラつくところに、みんくちゃんの自分への自信の無さが現れているのです。
余談ですが、叶花ちゃんの夏服の袖口が、今までとちょっと違います。みんくちゃんや真帆子ちゃんの夏服は、袖口を絞った感じだったのに対して、叶花ちゃんの夏服の袖口は、かつては絞らない袖口でした。今回は、叶花ちゃんも絞った袖口になっています。かつて絞らない袖口にしたのは、おそらく、叶花ちゃんにあまり似合わないだろうと立川先生が思ったからかもしれません。実際セイントテールのリナちゃんの夏服も、立川先生は、似合わないという理由でスカート吊り部分をはずして描いていました。しかし、今回、叶花ちゃんの袖口が絞ってないのはなぜでしょう？ 実際叶花ちゃんに絞った袖口を着せてみると、それなりに似合っています。似合っているからみんくちゃんたちと揃えることにした…という考え方は、どうでしょうか？
さて、モッくんの妹の真帆子ちゃんからモッくんのほしいものはバイクと言われて、短絡的にバイク店に行ってしまうみんくちゃん。中学生のおこづかいではもちろん買えるはずが無いのですが…。案の定、１５０万円という値段をみて、みんくちゃんは思わず死んだフリ…。しかし、ふと起き上がったみんくちゃんは、バイク用のグローブをみつけます。目に付いたそれは、伝説のレーサーが愛用していたモデルとのこと。事故にあっても何度でも再起したといわれるレーサー…。そのグローブは「星の導きで生命がよみがえる」というジンクスがあるというのです。
いつもバイクを転倒させて怪我しているモッくん。そんなモッくんをいつもハラハラして見ていたみんくちゃんだったのでしょう。モッくんをグローブが守ってくれますように…。グローブを胸に抱くみんくちゃんの表情が、これまた美しいのです！！！！ 大好きな先輩を想い、その想いをグローブにこめているみんくちゃんの美しいこの表情に、大変萌えられた皆様も多いことでしょう♪♪♪ この最終話のみんくちゃんは、本当に美しい表情が多いです。みんくちゃんも、恋をして本当にきれいになりました♪ あくまで本当の「みんく」として告白しようと思うその決心が、ますますみんくちゃんを美しくしたのでしょう♪
ところが、そこへモッくんが突然やってきました。どうやらここはモッくんの知っているバイク店のようです。みんくちゃんは、途端に逃げ出してしまいます。せっかく決心したにもかかわらず、まだ「みんく」としてモッくんにプレゼントを渡す心の準備ができていないみんくちゃん。せっかく買った大事なプレゼントもついつい忘れて、あわてて逃げ出してしまいます。困って追いかける店長。事情を聞いたモッくんは、忘れていったのがみんくちゃんだと知り、みんくちゃんのために渡してあげようと申し出ます。ところで、このグローブ、モッくんも目をつけていたものだというのです。みんくちゃんがそのグローブを偶然選んだことに、何かときめきを感じませんか？ みんくちゃんがグローブをほしがるとは思えない…。しかも、おそらくは男の人へのプレゼント…。グローブを店長から受け取ったモッくんの表情は、なぜかちょっとだけ複雑です。それは、妹の友達を見守る「お兄ちゃん」としての表情なのか？ それとも…？？？
さて、場面は一転して、いよいよ船上パーティのために、Ｍｉｎｋｌｅの３人が現地へ乗り込むシーンとなります。ヘリコプターにて海の上を飛ぶＭｉｎｋｌｅは、きれいな海にみとれています。一方、モッくんは、ついつい、みんくちゃんの忘れ物を持ってきてしまったことに気がつきました。忙しくてついついカバンに入れたままになってしまっていたのでしょうか？
のどかな雰囲気がそのとき、急変しました。どこからともなく「グオオオオ」という不気味な音が響いてきました。戸惑うＭｉｎｋちゃんたち。その時！！！ Ｍｉｎｋちゃんの体に異変が起きました！！！！ Ｍｉｎｋちゃんの変身が突然解けてしまい、一瞬にしてみんくちゃんの姿に戻ってしまったのです！！！！ あわててモッくんの目をふさぐＭａｃｏちゃんとＣａｎｏｎちゃん！！！ しかし、この２人は、変身は解けていないようですね。その一方であわてふためくみんくちゃん。正体がバレたら、もうモッくんのそばにいられないと、自分に自信のないみんくちゃんにとっては一大事なのでした。
ところで、みんくちゃんの服装ですが、はっきりとは見えてませんが、ふりふりの夏服っぽい感じがちらっと見えます♪ 最後の最後で、みんくちゃんは本格的にふりひらを着てくださるのでしょうか！！！！？？？？？ これは大変萌えもえで楽しみです♪♪♪ 今までも、ところどころで、エプロンが似合っていたり、ふりふりのついた服がかわいらしかったりしたみんくちゃん♪♪♪ 当ＨＰの皆様のイラストでも、それは実証されており、最終回ながら、みんくちゃんのふりふりな服装に、期待萌えもえな皆様もかなり多いことでしょう♪♪♪
やがて、不気味な轟きも静まり、モッくんは覆いかぶさるＭａｃｏちゃんとＣａｎｏｎちゃんをやっと振り払います。あせる二人でしたが、どうにかみんくちゃんはＭｉｎｋの姿に戻っていました。ヘリの操縦士が、下に見えてるあの島に怪物がいて、その怪物が鳴いているらしいと言います。見ると、島は断崖絶壁で上陸する術が無いように見えます。なんでも、ＤＡＮＭＥＮ
ＺＵによれば、水面下の絶壁に、島に入れる穴があるらしいのです。陸からも船からでも入れない幻の島…。島独自の生態系がありえるというＣａｎｏｎちゃん。まあ、怪物とまでは言わなくても、周囲から隔絶された環境だけに、未知の生物がいる可能性があるでしょう。
ふと、モッくんが持っている包みに気づいたＭｉｎｋちゃん。自分が買ったはずのプレゼントが、いつのまにかヘリの中にあるのです。思わず手に取るＭｉｎｋちゃん。しかし、その包みは「白石さん」のものなのです。当然ながら、その事を指摘し、いぶかしがるモッくん。しかし、Ｍｉｎｋちゃんは、あの時のバイク屋でのモッくんと店長の会話を知りません。なぜモッくんが知ってるのか戸惑いながらも、Ｍｉｎｋちゃんは「あたしからみんくちゃんに返そうと思って…」と、必死でその場を取り繕おうとします。モッくんは、「白石さんとそんなに仲いいんだ」と、表面上は納得したような返事をします。しかし、Ｍｉｎｋちゃんが「白石さん」のものを、あたかも自分のものみたいにしていたことが、モッくんにはひっかかっていました。思えば、謎ばかりのＭｉｎｋちゃん。知っているようで、実は自分は「Ｍｉｎｋ」のことが誰なのか…何もわかっていない…。わからないことの不安は、モッくんを不安に追い込みます。詮索しないという約束…。それを破るわけにいかない…。でも、「Ｍｉｎｋ」が誰なのか？ 「Ｍｉｎｋ」のすべてが知りたい…。何回か自分のもとから「消え」かけたＭｉｎｋちゃんへの不安は、モッくんをジレンマに追い込みます。
一方の「みんく」ちゃんもまた、苦しんでいました。告白したい…。好きだって伝えたい…。でも、告白はＭｉｎｋのままじゃだめ…。Ｍｉｎｋちゃんは「まるであたしの中から“みんく”が外に出たがっているみたい」と自覚します。正体を明かすことは、Ｍｉｎｋが「偽り」だったことをモッくんに思い知らせることになること、もしかしたら、「みんく」どころか「Ｍｉｎｋ」としてもモッくんのそばにいられなくなること、そして、何よりも、大好きな先輩を「騙して」いたことが発覚すること……
！！！！ みんくちゃんにとって、決して知られていけない秘密は、幾重にも折り重なって、みんくちゃん自身を苦しめ傷つけていくのです…。ただ、自分に自信が無いばかりに…。みんくちゃんが、自分に自信があるのなら、「みんく」自信をモッくんの前に出して、秘密を語ることも決して苦しいことではないはずなのですが…。
Ｃａｎｏｎちゃんの推測では、先ほどの島からの「鳴き声」が、パソコンと携帯を結ぶ電波に影響して、ＷＡＮＮＡ−ＢＥの機能を弱めているのかもしれないとのことです。それがなぜＭｉｎｋちゃんだけなのか…？？？ ともかくも、島がすぐ近くにあることが、Ｍｉｎｋちゃんを不安にさせるのです…。
いよいよ船上パーティ。Ｍｉｎｋちゃんの衣装にご注目ください！！！！ 胸元のふりふり、そして、肩紐の部分やストッキングにところどころに花をちりばめたＭｉｎｋちゃんのワンピースが、これまた可愛らしいのです♪♪♪ ３９０万人のＭｉｎｋちゃんファンの皆様は、思いっきり萌えまくったことでありましょう♪♪♪ そして、ここではさらなる読者サーヴィスが♪♪♪ あのカリスマアーティストのイリヤくんが久々に登場なのです♪♪♪ ガルーダ・イリヤ・レーベルを引っさげてロスに渡っていたイリヤくんでしたが、どうやらＭｉｎｋちゃんたちのプロデュースは継続していたらしく、今回のキャンペーンソングのプロデュースをしているというのです。久しぶりの再会に、Ｍｉｎｋちゃんも思わず胸キュンです♪♪♪ かつてはＭｉｎｋちゃんに想いを寄せていたイリヤくん。Ｍｉｎｋちゃんとモッくんが惹かれあっていることに気がついて身を引いたイリヤくんでしたが、こうしてさわやかにＭｉｎｋちゃんと再び語り合えるイリヤくんは、やはりオトナです♪♪♪ ロスでさらにカリスマ・アーティストとしての貫禄が身についたようにも見えますね♪♪♪
イリヤくんは、先ほどの幻の島に目をつけていました。神秘的なあの島で、プロモの撮影を考えていたようなのです。幻の島には、ダイヤモンドと取引するにくらいの、貴重な砂があるというのです。そして、その砂を守る怪物の鳴き声が、あの不気味な鳴き声だとか…？？？？ それを聞いて、ますますゾッとするＭｉｎｋちゃん…。しかし、このイリヤくんの発言を耳ざとく聞きつけたのが、ジョニ田とあずみんでした。ダイヤモンドにも匹敵する砂に心ときめくあずみん。一方のジョニ田は、やはり狙うところはスクープです。それにあわせて、スキャンダルをでっちあげようと案を出すあずみん。Ｍｉｎｋちゃんを島につれていって、心配で追ってくるマネージャーのモッくんとのシーンを激写しようというのです。とても息がぴったりな二人。ジョニ田も思わず「さすがオレの相棒！！」と言い、あずみんにぶっとばされています。この２人、やっぱり、おもいっきり仲良しさんですね♪♪♪
砂の話を続ける、イリヤくんとＭｉｎｋちゃん。砂をＭｉｎｋちゃんにプレゼントできたらいいのにと言うイリヤくん。プレゼントという言葉で、思わず、モッくんへのプレゼントが気になったＭｉｎｋちゃん。イリヤくんなら、なにが欲しいかをたずねます。そこでイリヤくんは、中身はともかく、ラッピングにハートマークはやめてほしいと言います。しかし、Ｍｉｎｋちゃんの持っている包みは、おもいっきりハートマーク！！ イリヤくんの一言に自信を失い、泣いて逃げるように駆け出すＭｉｎｋちゃん。ハートマークがいやだというのは、あくまでイリヤくんの個人的な好みなのですが…。すぐに他人の意見にぐらつくという、Ｍｉｎｋ（みんく）ちゃんの自分への自信のなさは、かなり重症です。渡したら嫌われるんじゃないか…？？？ 途方に暮れるＭｉｎｋちゃんでしたが……。その時、あの島からの泣き声が突然響いてきました！！！ Ｍｉｎｋちゃんの姿は、またしてもみんくちゃんに戻ってしまったのです！！！！ 急いでどこかに隠れようと考えるみんくちゃんでしたが……！！！！ なんと！！！！ Ｍｉｎｋちゃんが風邪をひかぬように上着を持ってきたモッくんが、そこにやってきてしまったのです！！！ モッくんがそこに見たのは、アイドルのＭｉｎｋではなく、「白石さん」の姿でした…！！！！
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なぜか船上パーティの船にいる「白石さん」。決してありえないことではないにしても、なぜ唐突にここに「白石さん」がいるのかわからないモッくんは、驚きの表情を隠せません。
一方のみんくちゃんは、モッくんに自分の気持ちを伝えるどころではありませんでした。Ｍｉｎｋちゃんに返してもらう約束をしていたのだと、秘密がバレる恐怖にガタガタと震えながら、プレゼントをギュッと胸に抱きしめながら、苦し紛れの言い訳をするみんくちゃん。
ただそれだけのためにこんなところまで来るとはおかしいといぶかしがり、ツッコミを入れるモッくん…。プレゼントも手元にあり、ある意味、告白の絶好のチャンスかもしれないこの状況なのに…。今度こそ自分の気持ちを言えるはずだったのに、言えない自分…。モッくんにつっこまれて、上手な言い訳もできないみんくちゃんは、「大事なものなんです！ すごく すごく……っ」とだけ言って、ついに泣いてしまいます。自分の想いが届かない無念さと悔しさ…。そう、この涙の真意は、自分への悔しさの涙なのです。
そんなみんくちゃんの胸の内はモッくんには届くはずもありません。ただただ、モッくんは、みんくちゃんが泣く理由がわからずに戸惑うばかりです。ちょっとツッこんだだけなのに、なぜ泣くのか？？？ プレゼントの中身が例の手袋であること、おそらくは男の人へのプレゼントであろうことは、モッくんは知っているはずなのですが…。しかし、そのプレゼントが、まさか自分へのプレゼントだとは、モッくんは今の段階では夢にも思いません。「みんく」ちゃん自身が、今までもう少し積極的にモッくんにアプローチし得ていれば、もしかしたらモッくんも、みんくちゃんの想いに気がつけたかもしれないのですが…。みんくちゃんの悔し涙は、それがわかっているがゆえの悔し涙でもあるのです。タイミング良く、モッくんを呼ぶ声がして、モッくんはこれ幸いと逃げてしまいます。なんとかその場をしのげてホッとした思いと、告白のチャンスを逃した無念と、モッくんが「みんく」の前から立ち去る寂しさと…。複雑な想いを胸に抱いて、みんくちゃんはただただ、モッくんの背中を見つめるしかありませんでした。
モッくんの前で「みんく」として不自然に泣いてしまい、モッくんに変に思われていやしないかと気にかかるＭｉｎｋちゃん。まだ気持ちが高ぶっているのか、会場に戻ってきても、涙が完全には止まりませんでした。そんな心理的に不安定なＭｉｎｋちゃんのところへ、あずみんとジョニ田がやってきて、マネージャーが探していると話しかけます。ジョニ田には注意しなければならないことは、今までの経験で十分承知しているはずなのに…。しかし、先ほどの件で不安定になっていたＭｉｎｋちゃんは、先輩が呼んでいると聞いて、もうそのことだけで頭が一杯になってしまいました。誘われるがままに、あずみんとジョニ田の誘う方向へついていってしまったのです！！！
この光景をみかけて、さすがにイリヤくんは気になったようです。モッくんへそれを告げ「いいのか？」と問いかけるイリヤくん。これには「マネージャーとしてほっとけるのか？」という意味もあるでしょうが、もしかしたら「大事な人をほっといていいのか？」という意味が含まれているのかもしれない…と考えるのは、深読みのしすぎでしょうか？？？？ イリヤくんは、「鳥海！！」と、モッくんを苗字で呼び捨てにしています。二人の関係を表す、なかなか興味深い呼び方ですが、どう思いますか？ まあ、もっとも、あずみんのことも「水原」と呼び捨てにしており、こういった言い方は、イリヤくんの習慣という可能性もありますが…？？？ ともかく、心配になってＭｉｎｋちゃんを追いかける、モッくんとＣａｎｏｎちゃんとＭａｃｏちゃん。せかされながら連れて行かれるＭｉｎｋちゃんを追っていったその時、Ｍｉｎｋちゃんが落としてしまったものがありました。それはあの、「白石さん」が持っていたプレゼントの包みでした…。「大事なものなんです！ すごく すごく……っ」と、泣きながらみんくちゃんが抱きしめていた、あのプレゼントの包みが…。
ラッピングが開いてしまい、プレゼントの中身が出てきました。手袋とともに入っていた１枚のカード…。それは明らかに「白石さん」が書いたものであることは、バイク屋での顛末を知っているモッくんにはわかっていました。そのカードを拾い上げたモッくんの眼には、「先輩
お誕生日おめでとう」というみんくちゃんのメッセージが目に入りました。そして、一瞬ドキっとなるモッくん…。
「大事なものなんです！ すごく すごく……っ」そう言ってプレゼントを大事そうに抱きしめて泣いていた「白石さん」…。あれほどまでしてこの包みを返してもらいに来た「白石さん」…。どうしてもわからなかったあの時の涙の意味…。これは自分への想いではないかと、モッくんの心は気づきかけました…。
しかし、すぐに、モッくんの頭の中は、混乱で高マグニチュード状態になっていました。なぜ、この包みをＭｉｎｋちゃんが再び持っているのか？ この包みは確かにあのバイク屋で「白石さん」が買っていたもの…。このバースデーメッセージも「白石さん」の書いたもの…。そして、あそこまで涙を流して、「ついさっき」までこの包みを必死に抱きしめていた「白石さん」…。しかし、現に包みは、わずかの時間でＭｉｎｋちゃんが持っていました。「Ｍｉｎｋと白石さん…は まさか……」モッくんの頭の中に、一つの疑念が生まれました。
一方、Ｍｉｎｋちゃんは、ボートで海へ連れ出されていました。先輩はどこと問いかけるＭｉｎｋちゃんに対し「バカね
ウソに決まってるでしょ」と舌を出すあずみん。ＣａｎｏｎちゃんがＭｉｎｋちゃんを見つけたとき、ボートは、あの例の怪物のいるといわれる島へ向かっていました。その時です！！！ あの怪物の鳴き声が聞こえて来ました！！！ それと同時に、Ｍｉｎｋちゃんの変身が、解け始めてしまいました！！！！ Ｍｉｎｋちゃんをみつけて「いっちゃダメだ もどってこいっ」と叫ぶモッくん！！！ 今ここで変身が解けてしまえば、秘密がバレてしまいます！！！ 秘密がバレることは、「ウソをついていたこと」と「Ｍｉｎｋ＝みんく」がバレてしまうことによって嫌われてしまうかもしれない…という２種類の恐怖として、Ｍｉｎｋ（みんく）ちゃんを襲ってきます。みんくちゃんが自分に自信があれば、決して「Ｍｉｎｋ＝みんく」とわかってしまっても怖くはないはずなのですが…。そかしそれが怖いがゆえに、ウソを重ねてきた罪悪感もまた、Ｍｉｎｋ（みんく）ちゃんを苦しめてきました。それに加えて、正体がバレることで、今後仮に両想いになったとしても、「みんく」は永遠に「Ｍｉｎｋ」の影を背負ってモッくんに認知され、一生「みんく」が「Ｍｉｎｋ」に勝つことはできない…！！！ 冒頭の夢のシーンは、そんなみんくちゃんの劣等感の象徴でした。すべての苦しみは、みんくちゃんの「自尊心」の弱さの問題として帰結されるのです！！！
先ほどの「鳴き声」にびっくりしたあずみんは、ついついボート上で立ってしまいます。案の定、あずみんは転覆してしまいます！！！ Ｍｉｎｋちゃんは、あずみんを助けようと、後先をかえりみず海に飛び込んでしまいました！！！！ その時、モッくんもまた、Ｍｉｎｋちゃんを助けに飛びこんでいました。
皆が水中に沈んだまま、静かになってしまいました。途方にくれるＣａｎｏｎちゃんとＭａｃｏちゃん。その時、さっき飛び込んだジョニ田が、あずみんを水中から救い出しました。ジョニ田の男らしさを感じるシーンに、久々にジョニ田に萌えられたジョニ田ファンの皆様も多いことでしょう♪ あずみんと実にジョニ田は仲良しですね☆ スキャンダルにならないのでしょうか？？？ それはともかく、モッくんとＭｉｎｋちゃんは、行方不明です。その事実に、ＭａｃｏちゃんもＣａｎｏｎちゃんも、思わずゾッとなってしまいます！！！
そのころ、モッくんは、海に沈んだＭｉｎｋちゃんを探していました。ほどなくモッくんの視界に入ったのは、気を失って水中を漂っているＭｉｎｋちゃんでした。助け出そうとＭｉｎｋちゃんのもとへ近寄ろうとしたその時…！！！！ あの「鳴き声」が水中に響き渡り、Ｍｉｎｋちゃんの体に異変が起こったのです！！！！
電光を放って光に包まれたＭｉｎｋちゃん！！！ そして、その次の瞬間、水中に漂う一人の見慣れた少女の姿…！！！！ 見間違いではないかと、眼をこすってもう一度見直すモッくんでしたが…。しかし、それは間違いなく、「白石さん」だったのです…！！！！ 余談ですが、みんくちゃんの服は、やはりふりふりの可愛らしい夏服♪♪♪ みんくちゃんには、本当にかわいらしいふりふりな服装が実によく似合います♪♪♪ ここまで立川先生が、可愛らしさを追求したキャラもいないのではないかと思われるくらい、らぶりぃさに徹してますね♪♪♪ みんくちゃんの一大事で甚だ申し訳ないのですが、しかし、このみんくちゃんのかわいらしく美しい姿に、萌えまくられたファンの方も多いのではないでしょうか？？？？
あの時、公園に現れた一人の少女…。ダイヤモンドの光を宿した天使の羽…。モッくんはそのダイヤモンドの輝きに魅せられ、Ｍｉｎｋちゃんをスカウトしました。アイドルとして、そして憧れの人として、モッくんはＭｉｎｋちゃんに誰よりも惹かれてきました。いや、お互い惹かれあってました。しかし、Ｍｉｎｋちゃんは、決して自分のことを語りませんでした。どこに住んでるのかも、名前も、決して知りえることはありませんでした…。「あたしがだれなのか きかないで」Ｍｉｎｋちゃんはそう言いつつ、何度かモッくんの前から「消え」かけました。
みんくちゃんは、自分への自身の無さから、知らず知らずのうちに、心に「壁」を作っていました。モッくんがＭｉｎｋちゃんの気持ちに「鈍く」見えたのは、その壁が邪魔をしていたせいかもしれません。Ｍｉｎｋちゃんの放つ光は、いつまでもモッくんには決してリアルなものには認知できませんでした。それは、Ｍｉｎｋちゃんが自分のことを単に秘密にしているからだけではなく、どことなく感覚的に、本能的に、モッくんはＭｉｎｋちゃんの姿にリアルな感覚を持ち得ないでいました。決してイミテーションでないはずなのに、決してイリュージョンではないはずなのに、しかし、Ｍｉｎｋちゃんの輝きにどこかリアルな感覚を持ち得ない自分…。モッくんはその自分の感覚に戸惑っていました…。すなわち、Ｍｉｎｋ（みんく）ちゃんの気持ちも、そして、自分自身のＭｉｎｋ（みんく）ちゃんへの気持ちも、混沌としてわからないまま…。
その一方で、自分をみつめる一人の眼…。時々切なそうに、自分を見つめる眼…。時々何かを訴えかけるような表情…。しかしいつも、自分から口を閉ざしてしまう少女…。決して目立たないけれど、どこかしら自分に対して何かを無言に語りかけてくる少女「白石さん」…。自分の背後から、目立たないけれど、しかし、確かな姿としていつもそこに、いつも自分の身近にいた「白石さん」…。さっきの船上での涙の意味…。バースデーメッセージに隠された、自分への想い…。それは、決して不確かなものではなく、しっかりとモッくん自身が確かに感じたリアルな感覚…！！！
Ｍｉｎｋとみんく…２人の像がモッくんの脳内でぴったりと重なり合いました。そこにいるのは、確かに「白石さん」。今まで、自分を目立たないながらもしっかりと見つめ続けてきた「白石さん」。確かに存在する「白石さん」に、今までリアルな感覚を持ち得なかった「Ｍｉｎｋ」との体験が重なり合う…！！！ リアルな一人の「白石さん」へ「Ｍｉｎｋ」が統合し得たとき、モッくんは、その「確かに存在する少女」を「初めて」抱きしめました。
息がもたない！！！ モッくんは、みんくちゃんを抱えると、必死で浮上しようとしました。なかなか見えない海面。なぜか天井が･･･？？？？ しかし、その時、モッくんの目の前に、あの「白石さん」のプレゼントであるグローブが、水流で流れていきました。その先には、光が…？？？？ モッくんは、それを頼りに、浮上し始めました。やっと確かに手にした大切なもの。欲しくてたまらなくて、そして、消えてほしくないと願ったにもかかわらず、なんども「消え」かけた大切なもの…。やっと手にした、欲しくて欲しくてたまらなかった大切なものを、モッくんはもう離しませんでした。「オレのまえから消えてしまわないでくれ」必死で願い、モッくんは、力の限り泳ぐのでした…。
きれいに輝くお星さま…。その綺麗でまばゆい光に、みんくちゃんはやがて目を覚ましました。起き上がってみたとき、そこは、なんと、あの「幻の島」だったのです！！！ 空中にうかぶ、まばゆい星の光…？？？？ いや、この光は、みんくちゃんの足元に無数に散らばる、星砂でした。星砂が風にまきあげられ、島一体を、美しい星の世界に演出していたのです。島が守ってきた、美しい光…！！！
ふと、みんくちゃんは、水面に写った自分の姿に気づきます。変身が解け、「みんく」に戻ってしまっていたのです！！！ 先輩に見られたら…！！！？？？ そう恐れるまもなく、「Ｍｉｎｋ」と呼びかける声…！！！ それにつづく「……じゃない…のか いまは」のつぶやきを聞くまでもなく、最初の呼びかけで、みんくちゃんはすべてを悟りました。この自分の姿を見て「Ｍｉｎｋ」と呼びかけてくること…。それは、秘密がすべて知られてしまったことを意味していました！！！ ついにみんくちゃんにとって、おそれていた瞬間がやってきてしまったのです！！！
先輩にバレてる…全部知ってる…。ウソをつきつづけてきたことも、Ｍｉｎｋがみんくであることも…。もう、先輩のそばにいられない…！！！ あくまで「みんく」として気持ちを伝えようと思っていたのに、それも永遠にかなわない…！！！ もうお別れなのかしら…？？？？ 絶望のまま、しかしながらみんくちゃんは、ウソをついていた罪悪感を吐露しようとします。「ごめ……」みんくちゃんの口から、言葉が出掛かりました…。
……次の瞬間……！！！みんくちゃんの唇は、モッくんの口でやさしくふさがれました。やさしく顔をよせ、みんくちゃんの肩を抱き寄せ、言葉を出そうとするみんくちゃんの唇に自分の口を重ねるモッくん…。星砂の光に包まれた二人は、黙ってただ唇を重ねあっていました…。
“Ｍｉｎｋのことをもっと知りたい”モッくんが誕生日に欲しいものは、それでした。消えてしまわないでくれ…。いつもそう願いつつも、欲しかったものは、決してリアルなものとはなりえず、何度も「消え」かけていました。すべてを知りたいと思う気持ち…しかし、もしも詮索してしまったら、欲しいと願ってしまったら、そして「好きだ」と言ってしまったら、まして、キスなんてしてしまったら………！！！？？？
欲しいと思いつつも、実感として感じ得ないそのどこか不確かなもの…。モッくんはＭｉｎｋちゃんに惹かれつつも、不確かなＭｉｎｋちゃんへの感覚から、Ｍｉｎｋちゃんに惹かれている自分自身の想いについても、実感として認知できなかったのです。Ｍｉｎｋちゃんから自分に向けられた自分への想いも、決してリアルなものとして実感し得なかったのです。ゆえにモッくんは、Ｍｉｎｋちゃんの気持ち、そして、みんくちゃんの気持ちに対して「鈍感」でした。いや、自分の想いにすら「鈍感」だったのです。またそれは、先ほども述べたとおり、みんく（Ｍｉｎｋ）ちゃん側からの「壁」が、モッくんを鈍感にしていたということもあるでしょう。
しかし、モッくんは、自分をみつめてくれているリアルな眼に気がつきました。自分へ向けられたリアルな想いに気がつきました。それに気づいた瞬間、モッくんはみんくちゃんに初めて惹かれました。そして、今まで自分が不確かにしか感じなかったものが、初めてリアルなものとして実感できたその瞬間、モッくんは「みんく」ちゃんに、「恋」をしたのです。だからこそモッくんは、「みんく」ちゃんに「告白」を行ったのです。
「ごめんなさい」と言おうとしたみんくちゃんの唇をふさぎ、みんくちゃんへ「告白」を行ったモッくん。それは、モッくんがすべてを受け止めるという証でもあったのです。今まで求めつつも、リアルな実感を持ち得なかった、「Ｍｉｎｋ」を。そして、目立たないながらも確かな想いを寄せてくれた「みんく」を。モッくんは、両方をその心で受け止めたのです。
すべてを受け止めてくれたモッくんに、ついにみんくちゃんも告白します。今まで決して言い出せなかった自分の想い…。結局みんくちゃんは、自分からその想いを、自分の側から言い出す勇気を持ちえませんでした。でも、「ウソをついてでも、たとえ幻の自分でも、ただただ先輩のそばにいたかった…。」この正直な想いだけは自分できちんと言いたい…。みんくちゃんは、せいいっぱい、自分の気持ちを伝えました。なぜ自分はＭｉｎｋでいたのか？ なぜ偽りの自分として先輩のそばにいたのか…？ 必死で伝えるみんくちゃんを、モッくんは優しく微笑んで、黙って抱きしめるのでした。
恐ろしく響き、怪物の声として認知された「鳴き声」。それは、この星砂の音が、島の地形で共鳴して、怪物の声に聞こえさせていたのです。怪物というのは、この美しい光の世界を、守ろうとして伝説だったのでしょう。しかしこの共鳴音が、なぜＭｉｎｋちゃんの変身だけを解いてしまったのか？ なぜＣａｎｏｎちゃんやＭａｃｏちゃんの変身は解けず、Ｍｉｎｋちゃんだけが…？？？ それは、もしかしたら、「外に出たがって」いたＭｉｎｋちゃんの中の「みんく」の存在が、鳴き声と共鳴しあった結果なのかもしれません。あるいは、秘密を守ろうとする「星砂の鳴き声」が、「“秘密”を持つみんくちゃん」の心と「共鳴」しあって、「秘密」の存在に苦しむみんくちゃんがこれ以上苦しまないようにと、みんくちゃんの本当の姿をモッくんにみせようとしたのかもしれません。
「もう オレには ひとつも かくしごとはない…よな？」モッくんはそう聞き返します。確かに手に入れた大切なもの…。もう二度と消えて欲しくない。失いたくない…！！！ モッくんの願いはただそれだけでした。「白石さ…じゃなかった」そうつぶやくと、モッくんはみんくちゃんの耳元でささやくのでした。「みんく」…と…！！！！ 「Ｍｉｎｋ」と「みんく」の両方を受け止めたモッくん。しかし、モッくんにとっての初恋…それは「みんく」ちゃんへの恋心なのです。
今まで、幾度もＭｉｎｋちゃんに惹かれつつも、決してリアルな実感として感じ得ないその想いゆえに、モッくんは自分自身の気持ちに向き合えませんでした。しかし、リアルな実感として感じたみんくちゃんからの想いとみんくちゃんへの想い…。「すべての秘密」がわかった瞬間、確かに手にしたみんくちゃんへの想いに、Ｍｉｎｋちゃんへの想いが矛盾なく重なったのです。モッくんは今まで向き合えなかったＭｉｎｋちゃんへの想いに初めて向き合うことができました。今まで向き合えなかった「不確か」な想いと、初めてリアルに向き合った「確か」な想い…。それがすべて「みんくちゃんへの想い」だとわかった時に、モッくんは「みんく」ちゃんに「初恋」をしたのです。「みんく」も「Ｍｉｎｋ」も、今となってはモッくんにとっては、もはやどちらも偽りではなく、確かな実感として感じられる「真実の姿」です。みんくちゃんへの愛しい実感として…。
真実がバレてしまうことによって今までの「Ｍｉｎｋ」としてのモッくんとの大切な時間を否定されること、これはみんくちゃんにとって辛いことだったにちがいありませんし、だからこそみんくちゃんは、秘密がバレることを極端に恐れたともいえましょう。しかし、「偽りの時間」も「真実の時間」も、モッくんがすべてかけがえのない「真実の時間」として受け止めてくれました。両方の真実を「みんく」の真実として愛してくれました。それがわかったみんくちゃんは、うれしさでいっぱいの幸せな美しい笑顔とともに、美しい嬉し涙をこぼすのでした。
これからも続く、「みんくとＭｉｎｋの未来」…。周囲からは一見何も変わってないかに見えますが…。しかしこれからの時間は、「モッくんとみんくちゃんの時間」なのです♪ お互いをしっかりと知り合い、信じあい、愛し合った絆☆ そして、モッくんがちゃんと、実像の「みんく」として、普段の自分と「Ｍｉｎｋ」とを見てくれている☆ 「これから」は「みんく」ちゃんには、ずっと見守ってくれる人がいます。ずっとこれからも、Ｍｉｎｋの活躍は続いていくことでしょう。
３年にわたる長い連載でした。いろいろありましたが、立川先生が、またひとつ、私たちにすばらしい物語をくださったことを感謝したいと思います♪ 立川先生、ありがとうございました♪ そしてご苦労様でした♪ 今後の立川先生の益々のご健康とご活躍を祈念し、新連載を楽しみに待ちたいと思います♪
ここから下は、第２５話〜第２６話までの解説です。２４話以前は、一番上のリンクよりどうぞ。
先月号でサイバーセキュリティのチェイサーに見つかってしまった鏡とＭｉｎｋｌｅ！！！ いよいよ、未来の番人たちがＭｉｎｋちゃんたちに接近してきてしまいました！！！ それはすなわち、時空管理法第４条の違反、Ａ級犯罪の発覚を意味するのです！！！！ そしてそれは、Ｍｉｎｋちゃんたちのデリートに繋がること…！！！ 一体Ｍｉｎｋちゃんたちはどうなってしまうのか！！！？？？？ この１ヶ月間、なかよしの発売を禁断症状に苦しんでのたうちまわる皆様のお姿が想像に難くありません。
さて、気になる本編です。３人組のチェイサーが、鏡の身柄を拘束しました。そして、Ｍｉｎｋｌｅもまた、身柄の拘束を勧告されます。鏡とＭｉｎｋｌｅの容疑は、時空管理法違反および発禁ソフト「ＷＡＮＮＡ−ＢＥ」使用…とのことでした。
その場にモッくんが駆けつけた時、Ｍｉｎｋちゃんたちの姿は、一瞬にして消えうせてしまいました。その場に残されたＭｉｎｋちゃんのイチゴのハンカチ…。さっきまでそこにいたと思ったＭｉｎｋちゃんたちがいない…。モッくんの不可解な思いだけがその場に残ります。そして、鏡は、Ｍｉｎｋｌｅが逃げることを、拘束の中で苦しみながらも、祈るのです。
電脳空間で、変身を解かれた３人娘はチェイサーと対峙していました。鏡を救うべく立ち向かうみんくちゃんたち。しかし、武器を持つ相手にはかないません。チェイサーたちは容赦無く銃を撃ってきます。真帆子ちゃんと叶花ちゃんをかばってとっさに銃撃を逃れるみんくちゃん。珍しくみんくちゃんが機敏に動くという珍しいシーンです。
さて、そんな彼女らの正体は、連邦の最高特務機関の特殊部隊。時空管理における犯罪者を追跡し捕獲する部隊なのです！！！ 丸腰では戦えないみんくちゃんたちは、ＷＡＮＮＡ−ＢＥにて変身します。チャイナ服風の戦闘衣装に萌える方々も多いでしょうが、今回はそんなに穏やかなことは言っていられません。いきなり銃を向ける横暴なチェイサーに怒るＭｉｎｋちゃんは、ファンクションのＳｌｅｅｐを作動させ、チェイサーを眠らそうとしますが、通じません。ＷＡＮＮＡ−ＢＥのプログラムはすべて解析がなされているというのです。すなわち、叶花ちゃんが独自に付け加えた機能も既に解析済みということ…。チェイサーはもしかしたら、意外と早くからＭｉｎｋちゃんたちの存在を掴んでいたのかもしれません。チェイサーは容赦無く銃を撃ってきます。そして、鏡の罪は、時空を超えたことと、ＷＡＮＮＡ−ＢＥを「過去」の時代で使用したということであると主張し、それによって生み出されたＭｉｎｋちゃんたちも同罪とも主張します。この言葉を文字通りに解釈すれば、最初にＣＤショップにてみんくちゃんが入手したＷＡＮＮＡ−ＢＥのＣＤ−ＲＯＭは、鏡によって持ちこまれた物なのでしょうか？ しかし、だとしたら、もっと早い段階での鏡の接触があってもいいのかもしれません。しかし、物体が時空を超えるというのは、いずれにせよ、何者かの作為の産物であると言え、鏡が何らかの目的で時空を操作したことは間違い無く、その結果としてＷＡＮＮＡ−ＢＥがみんくちゃんたちの時代に出現したということだけは確かでしょう。
また、チェイサーは、バーチャルガールの存在を罪として扱います。横暴だと反発するＭｉｎｋｌｅ。しかし、ＷＡＮＮＡ−ＢＥの使用が犯罪行為であるということを知っていながらも、ＷＡＮＮＡ−ＢＥを使いつづけたみんくちゃんたちは、法律用語で言うところのいわゆる「悪意」によりＷＡＮＮＡ−ＢＥを使用したことに相当します。従って、チェイサーの論点とはズレますが、Ｍｉｎｋｌｅの存在が結果的に犯罪の産物であることには変わりがないですし、その犯罪の産物を継続させたみんくちゃんたちには、時空管理法の立場からは、明かに非があります。
チェイサーに責められながらも、拘束された鏡を救い出そうとするＭｉｎｋｌｅ。ＭａｃｏちゃんとＣａｎｏｎちゃんがチェイサーと対峙している間に、Ｍｉｎｋちゃんは鏡を救いに向かいます。しかし、黒髪のチェイサーの銃が、Ｍｉｎｋちゃんの動きを牽制します。鏡の「やめろっっ」という叫びもむなしく、Ｍｉｎｋちゃんは吹き飛ばされてしまいます。あくまで抵抗するＭｉｎｋｌｅに業を煮やしたチェイサーは、ついにＭｉｎｋｌｅをデリートしにかかります！！！！ チェイサーの銃がＭｉｎｋｌｅに向かって放たれます！！！ 銃撃をまともに浴びるＭｉｎｋｌｅ…！！！！ このまま消されてしまうのでしょうか！！！！？？？？？
その時、「まて！」という叫びと共に、電脳空間に一つのウィンドゥが出現します。急に攻撃を止めてかしこまるチェイサー。その画面に表れたのは「司令」…！！！ すなわち、サイバーセキュリティの本部司令官だったのです！！！！
司令官は静かに語ります。すなわち、ＷＡＮＮＡ−ＢＥの使用とＭｉｎｋちゃんたちの出現のために「過去」が変えられたことにより、２１世紀の歴史が変えられてしまったこと…。そしてその影響が、２１世紀末の世界をも変えてしまうという危険性があるということ…！！！
このことは、タイムトラベルをネタとした多くの物語に扱われている重大な問題です。過去が変えられるということは、すなわち、その影響で存在を消されてしまう人達が出てくるということなのです！！！ 言いかえれば、過去を変えることが「殺人」に繋がるということがあり得るのです。サイバーセキュリティの任務は、このような時空侵食による害を防ぐことにあったのです。
司令官は、鏡の連行と、「Ｍｉｎｋｌｅの存在の消去」をしなくてはならないと勧告します。オム君は泣きながら語ります。Ｍｉｎｋちゃんたちバーチャル・ガールが、データとして消されるということを！！！ すなわち、変身が不可能になることを意味します。そして、愛らしいオムくんの存在さえも…！！！ さらに、ＷＡＮＮＡ−ＢＥに関わった人達の中から、Ｍｉｎｋちゃんたちの記憶がすべて消えるのです！！！ みんくちゃんたち自身のみならず、我々３９０万人のファンの心からも…そして…愛しい先輩の記憶さえも…！！！！
司令官は、これは話し合いではなく決定事項であると勧告します。Ｍｉｎｋちゃんたちのデリートが、単に変身不可能となることを意味するのか？？？ それとも、みんくちゃんたちの存在までさえも消去してしまうのか！！！？？？
それは不明ですが、司令官は、鏡には手荒なことはしないと言います。ということは、みんくちゃんたちの存在自体に手をつけることも、おそらくはしないのでしょうか…？ それに、みんくちゃんたちの存在を消すこともまた、未来世界を変えてしまうことになるのです。そこに抵触する以上、サイバーセキュリティたちがみんくちゃんたちの存在を消すはずはない…と思いたいところですが…？
司令官は、１２月３１日をデリートの期限として言い渡し、この日までに身辺整理をつけろと言います。何やら気になる言い方ですが…。容赦無く鏡を連行し、サイバーセキュリティは姿を消してしまうのです！！！！
Ｍｉｎｋちゃんたちの存在が消える…。みんなの記憶から、Ｍｉｎｋちゃん、そしてＭｉｎｋｌｅが消えてしまう…。ファンのみんな、スタッフの人達、そして、先輩…！！！！ 容赦無くせまってくる時間…。時の流れは誰にも止められない…。Ｍｉｎｋちゃんの胸のうちとは裏腹に、コンサートツアーの準備が進んで行きます…。カゼを引かぬようＭｉｎｋちゃんを気遣うモッくん。愛しい先輩が「あたし」のことを忘れてしまう…！！！ Ｍｉｎｋちゃんの胸に、言い様の無い寂しさが襲ってきます。Ｍｉｎｋちゃんのことは忘れても、決してみんくちゃんのことが忘れ去られるわけではないのかもしれません…。「Ｍｉｎｋ」のデリートが、即「みんく」の忘却と結びつくところに、やはりみんくちゃんの根深い病が投影されているのですが…。Ｍｉｎｋちゃんの様子のおかしさに、モッくんは気がついているようですが…？
朝早くから稽古場の掃除にいそしむＭｉｎｋちゃん。その表情はどこか影があります…。そこへやってきたモッくんに悟られまいと、Ｍｉｎｋちゃんは精一杯の笑顔で挨拶します。ハリキリすぎてケガするなと心配するモッくんに対し、Ｍｉｎｋちゃんは元気に返答し「「立つ鳥跡をにごさず」っていうしね！」…と答えてしまいます。つい苦しい胸の内が出てしまい、「どこいくの？」とモッくんにツッコまれるＭｉｎｋちゃん。「いかないいかない…∞」と、違う世界でうろたえるＭｉｎｋちゃん。
それに構わずモッくんは、今度の全国ツアーが初の全国縦断ツアーであることを説明します！！！ 特にラスト・ステージは予想観客動員数が十万人！！！ その演出はシンデレラ！！！ 東京からスタートし、全国を縦断して、ラスト・ステージは東京に戻ってくるのですが、その際の新年のカウント・ダウンをＭｉｎｋｌｅとともに全国３９０万人のファン達がネットを介して一斉に行ない、１２時の時報とともに、シンデレラのＭｉｎｋが「１２時になっても解けない魔法」をかける…！！！
解けない魔法…。しかし、そのカウント・ダウンの終了とともに、Ｍｉｎｋちゃんの存在は無い…。Ｍｉｎｋちゃんの鼓動が高まります。シンデレラのように、Ｍｉｎｋちゃんはガラスの靴を残して…いや、そのガラスの靴さえも残さずに消えてしまうのでしょうか…？？？？ 消えるなんてイヤ…先輩に会えなくなるなんてやだよ…「みんく」ちゃんの悲痛な心の叫び…！！！ 灰かぶりの少女のままでは、もう「王子様」のキスはもらえない…！！！ 自分の本当の価値を見失っている病が、みんくちゃんをより苦しめます…！！！ Ｍｉｎｋちゃんの苦しい事情とは裏腹に、「来年」の仕事がモッくんの携帯に入ってきます。来年…そう…Ｍｉｎｋちゃんに「来年」は無いのです…！！！ １月５日の取材の件を、スケジュール表に書くように言われたＭｉｎｋちゃんですが、もはやＭｉｎｋちゃんは平静にスケジュールをかけず、ペンをミミズのようにボード上で這わせてしまいます…。Ｍｉｎｋちゃんの様子がおかしいことに顔を曇らせるモッくん。モッくんのそんなまなざしにみつめられて、泣きそうになるＭｉｎｋちゃん…。…泣いちゃダメ！！！ Ｍｉｎｋちゃんは、作り笑いで誤魔化しますが、モッくんにはそのカラ元気が、不自然であることが無意識にわかってきていました。
鏡のことも心配なＭｉｎｋｌｅ。自分たちが１２月３１日で終わることも気がかりですが、鏡は果たしてどうなってしまっているのでしょうか…？ 苦しい胸のうちにおかまいなく、時間だけが過ぎて行きます。いつかは迎えなければならなかった「Ｍｉｎｋ」との別れ…！！！ わかっていた運命だったからこそ、もうあきらめなければならない…！！！
非常階段で、シンデレラのシーンの練習をするＭｉｎｋちゃん。「もう帰らなくちゃ」…天を見上げてつぶやくシンデレラ…もといＭｉｎｋちゃんの姿に、何かを感じとってドキンとなるモッくん…。「…１２時になっても……消えないよな？」…問いかけるモッくんを振り向きドキンとなるＭｉｎｋちゃん。消えるわけないと笑顔を作って打ち消すＭｉｎｋちゃん。ツアーのことばかり考えているから頭の中がシンデレラ一色になっているのでは、と、はしゃぎながらモッくんにツッコむＭｉｎｋちゃん。その時、突然足を踏み外したＭｉｎｋちゃんは、階段から転げ落ちそうになります。あわててＭｉｎｋちゃんを受けとめるモッくんは、その手に持っていた紙袋の中身をぶちまけてしまいます。
モッくんに抱きとめられ、ドキドキなＭｉｎｋちゃん…そんなＭｉｎｋちゃんの頭上に降り注ぐ星屑………？？？？ いや、それは、金平糖でした。しかも、イチゴ味の…。 そればかりか、チョコレート、キャンディ、ウェハース、アイスクリーム…数々のイチゴ味のお菓子…そして、歯磨き粉までが子ども用のイチゴ味…。愛しい先輩は、Ｍｉｎｋちゃんの好きなものまでちゃんと覚えていてくれました。でも、もうすぐ先輩は忘れてしまう…！！！
でも、忘れない…。たとえ先輩が忘れてしまっても、王子様とともに過ごした夢のような時間は、決して灰かぶりのみんくは忘れない…！！！ ＷＡＮＮＡ−ＢＥの魔法がかかった時から、ずっと今までヒロインになれた自分…。ふだんの目立たない灰かぶりな自分とは違った、華やかで、先輩と一緒にいられた自分…。先輩に拾ってもらえたあの日のことを、絶対に忘れない…！！！ みんくちゃんは決意します。もうすぐやってくる「魔法の解ける瞬間」に向けて、Ｍｉｎｋとして最高のステージを演じきることも…！！！ 灰かぶりな自分はやはり、いつまでも灰かぶりなままなのでしょうか？ みんくちゃんは、灰かぶりな自分自身に、モッくんとするチャンスを、自信を、決心を見出せないのでしょうか？？？？ いつかは終わる魔法…。それはわかっていたこと…。しかし、「だれかのために自分がなにかできる」ことを安易に実現するという魔法の心地よさに依存し、本当の自分を見失う病…。「「本当の自分」にしかできないこと」を見失う病…！！！ その病が続く限り、みんくちゃんの苦しみは消えることはないのです…。病を克服できぬまま、やがてＭｉｎｋｌｅの全国縦断ツアー「シンデレラ・ガールズ２００１」が始まります。今や人気絶頂のＭｉｎｋｌｅのコンサートは、早々に１１万人動員を突破し、全国に旋風を巻き起こします！！！
あっという間にやってきてしまった最終ステージ、１２月３１日…。ライブにて１０万人のファンが見守る他、インターネットにて全国のファンにも中継がなされます。そして、その様子を見守る別の者たちが…！！！ そこは電脳空間！！！ やはり。サイバーセキュリティのチェイサーたちでした。彼女等は、１２時の瞬間に、Ｍｉｎｋｌｅをデリートすべく、待ち構えていたのです。
電脳空間に浮かぶウィンドゥの中には、囚われの鏡が！！！！ 「やめてくれ……ボクのはじめての友だちなんだ たのむ」と、必死で訴える鏡！！！ 今まで誰かに必要とされてこなかった鏡…。類稀なる才能を持ちながらも、友だちも無く、孤独にひたすら生きてきた鏡…！！！ そんな自分を始めて必要としてくれたＭｉｎｋｌｅたち…！！！ だれかのために自分がなにかできることの嬉しさを知った矢先だったのに…。ＷＡＮＮＡ−ＢＥのマスコットであるオムくんは、実は鏡の孤独が生み出した、人恋しさの象徴だったのかもしれません…。
「いつもどおり」に背中を叩き、天使の羽をくれる先輩…。ここにいるからと言い、Ｍｉｎｋちゃんを落ちつかせるモッくん。その天使の羽をまとい、Ｍｉｎｋちゃんは、「いつものよう」にステージに元気よく飛び出していきました。１０万人の観客たちの前に現れたのは、モップをもったメイド風のＭｉｎｋちゃん、Ｍａｃｏちゃん、Ｃａｎｏｎちゃんの、キュートなシンデレラ３人娘でした！！！ ウィンクしながらポーズをとるＭｉｎｋちゃんとＣａｎｏｎちゃん、そして、はつらつとポーズをとるＭａｃｏちゃんが、これまた大変可愛らしく、メイド衣装もまたとてもキュートです♪ その隣のページでアップにて映し出される夢見るような表情の美しく可愛らしいＭｉｎｋちゃんの大アップ！！！！！ そして「ちゅう」と、ファンへのキッス！！！！！！ このサーヴィスいっぱいの一連の見開きに、萌えられているファンの皆様も大変多いことでしょう！！！ シンデレラの物語をモチーフに展開される魅惑のステージ♪ でも、シンデレラの…いや、Ｍｉｎｋちゃんの願いは、カボチャの馬車でもキレイなドレスでも、ましてガラスの靴でもありませんでした…。「午前０時で、時計の針を止めて…！！！」
過ぎて行く時間…。シンデレラの、いや、Ｍｉｎｋちゃんの口から、「みんなだーい好きーーーっっ だーーい好きだよーーーー」という呟きが、涙とともにこぼれ落ちます…。
興奮冷めやらぬ会場に響く「アンコール」の叫び…。そして、カウントダウンの瞬間が始まりました！！！ 微笑むモッくん。その笑顔がいとおしくて、またしても涙を流すＭｉｎｋちゃん…。いよいよ１０秒前…！！！ 年の明ける瞬間です。その時Ｍｉｎｋちゃんは、モッくんのもとにかけよります
「約束…守れなくてごめんなさい…」涙とともに謝るＭｉｎｋちゃんは、ステージの階段を駆け登ります…！！！ ふたりでともにしようと誓った運命…。運命共同体の約束を果たすことができぬまま…一夜で消えるから…あたしは失くなるから…。
最初にＭｉｎｋちゃんが現れた時に、噴水で舞い降りたシーン…そのシーンとはまさしく対照的に、今度は階段を駆け登って消えて行くＭｉｎｋちゃん…！！！！ ＷＡＮＮＡ−ＢＥの魔法がかかった瞬間と、ＷＡＮＮＡ−ＢＥの魔法が解ける瞬間…！！！！ 対照的な２つの瞬間を表現するコマワリ技法が見所の美しいシーンです。泣きながらもステージに笑顔を振り撒くＭａｃｏちゃんとＣａｎｏｎちゃん…。そして、ファンたち、未来人たちの見守る中、天使の羽を撒き散らしながら、まさに天へと上って行くシンデレラ…いや、Ｍｉｎｋちゃん…！！！
「…Ｍｉｎｋ！！」
何かを感じ取ったモッくんの口から、悲痛な叫びが発せられます…
哀しくも美しく微笑むシンデレラ…ダイヤモンドの輝きを持つ天使…。その輝きは、本当に消えてしまうのでしょうか…！！！？？？？
「さよなら Ｍｉｎｋ……」
それは、他ならぬみんくちゃんからの、「Ｍｉｎｋ」への別れのメッセージ…。どこからともなく響くカウント「０！！」。
時はまさに午前０時…………
………天へと果てしなく続く長い階段…そこに天使の羽根を降らせつつ、笑顔で振り向くシンデレラ…いや、Ｍｉｎｋちゃん…！！！ 「あなたの笑顔があれば、あたしは、あたしは……」…笑顔とともにこぼれるＭｉｎｋちゃんのつぶやき
…。カラーではないですが、このシンデレラなＭｉｎｋちゃん♪ きらびやかなドレスに身を包み、可愛らしさ、神々しさ、清楚さを兼ね備えた、たいへん萌えもえなトビラです♪ のっけから萌爆ぶっこかれた皆様のごろごろ転げる様子が目に浮かびます♪
しかし、事態はまさに急展開！！！！ ２００１年の終わりと２００２年の始まりを同時に告げる０時の鐘とともに、Ｍｉｎｋちゃんが消えてしまう…？？？？ 容赦無く時を告げるカウントダウン…！！！ モッくん、ファン達、サイバーセキュリティ…らの見守る中、Ｍｉｎｋちゃんは大時計へと続く階段を駆け上がりました。手を取り合って震えるＭａｃｏちゃん、Ｃａｎｏｎちゃん…、そして、ただ一人孤独に消える運命に身を震わせるオムくん…！！！！ 容赦無くカウントは、３、２、１…………、０！！！！！！ 「さよなら Ｍｉｎｋ」…他ならぬみんくちゃんから「Ｍｉｎｋ」への別れのメッセージ…！！！ その瞬間、Ｍｉｎｋちゃんの身体がまぶしく光り輝きました！！！！
「Ｍｉｎｋ！！」…モッくんの叫び声が響き渡ったその時、照明が消えました。ふたたび階段のてっぺんをスポットライトが照らし出した時、そこには天使の羽根とともにガラスの靴だけが静かに落ちてきました…！！！！ まさに「シンデレラ」そのものとも言える状況…！！！ これは果たして演出なのか…？？？？？ 予測しえないこの状況に、ファンたちの間に軽いどよめきがおこります。Ｍｉｎｋちゃんのいなくなった階段を静かに登るモッくん…。残されたガラスの靴をモッくんは呆然としたまま拾い上げます…。
同時に、大変な現象が世の中に起こっていました！！！ さっきまでの会場のファン達の戸惑いが、「あたしたち なにしてるんだっけ……？」という別の戸惑いに変わりました！！！ …そう、今までまるで何もなかったかのように…！！！！
…いえ、それは、会場のファン達だけではありません…。スタッフ達も「なんで ここにいるんだっけ？」と、戸惑い始めていました。コンサートをテレビ中継で見ていたファン達も、ネット中継で見ていたファン達も「だれの コンサート？」と…！！！ 一方で、Ｍｉｎｋｌｅヴァージョンとなった「ＳＹ：Ａ」の広告ポスターも、Ｍｉｎｋｌｅの３人が消えて、「ＳＹ：Ａ」の缶だけを残した真っ白のポスターになっていました。見ていた人達も、そこに誰が写っていたのか全くわからなくなっていたのです…。そして、ＣＤショップのＭｉｎｋちゃんのＣＤからは、Ｍｉｎｋちゃんの顔が消えてしまいました…。店員達も、一体誰のＣＤかわからなくなってしまっていました…。全国３９０万人のファンをはじめ、人々からＭｉｎｋｌｅの記憶が消え、世の中のＭｉｎｋｌｅの痕跡が次々と消えて行ってしまったのです…！！！！ そして、モッくんの手から、ガラスの靴が滑り落ちていき………！！！？？？
余談ではありますが「ＳＹ：Ａ」の「再登場」は、ファンの皆様にとってなつかしい見所でしょう♪ かつて、Ｍｉｎｋちゃんのマスコミへのデビューと同時に発売されたブルーベリーティ「ＳＹ：Ａ」は、今ではＭｉｎｋｌｅによるＣＭにて広告活動が続けられていたのです♪ しかし、Ｍｉｎｋｌｅが消えるという場面に際してこのなつかしきネタが登場するというのは、ファンの皆様にとっては複雑な思いで眼に写ることではないでしょうか？
さて、話を本編に戻しましょう。消えたＭｉｎｋｌｅはどこにいったのでしょうか…？？？ ３人は、サイバースペースにて、自分たちの消えたステージを見つめていました。涙ぐむＭｉｎｋちゃん…。すべての人間からのＭｉｎｋｌｅに関する記憶がデリートされたとチェイサーの一人が告げます…。すると、Ｍｉｎｋｌｅの変身が解けはじめました。このまま３人は消えてしまうのでしょうか…？？？？？ どうやら、みんくちゃんたち自身の存在まで消されるというものではないようです。３人は、もとの中学生としての日常に戻される…というのです。そして、同時に、バーチャル・ガールとしての記憶も消されるというのです…！！！！ もちろん、ＷＡＮＮＡ−ＢＥのことも…！！！！
みんくちゃんの頭がもうろうとしてきます。今まさに記憶が消されてしまいます…！！！ 記憶が消える前に…忘れてしまう前に…！！！ みんくちゃんは、最後にどうしても鏡に伝えようとします。ウィンドゥの中で緊縛されている鏡に向かって、みんくちゃんは、必死の想いで涙とともに伝えます。ＷＡＮＮＡ−ＢＥにめぐりあえたことへの感謝の気持ち…Ｍｉｎｋになれてしあわせだったこと…。みんくちゃんは、「ありがとう」と鏡に伝えます。ＷＡＮＮＡ−ＢＥを創ってくれたことに…。ＷＡＮＮＡ−ＢＥを創ってくれた鏡に…。あんなにひどいことをされたのに、それでもみんくちゃんは鏡を友だちとして認めたばかりか、ＷＡＮＮＡ−ＢＥへの感謝の気持ちを打ち明けるのです。
心からお礼を言われたということは、おそらくは鏡にとっては初めての経験ではなかったのでしょうか？ 鏡はＭｉｎｋちゃんたちと出会う前は、「ともだち」がいませんでした。Ｍｉｎｋｌｅの存在が消え、ＷＡＮＮＡ−ＢＥが無くなると言う事は、鏡にとってかけがえのない友だちを失うことでもありました。こころから感謝されること…それは、鏡がずっと望んでいた「誰かに認められること」「誰かに必要とされること」だったのです。鏡はそのために、必死で頑張り、ＷＡＮＮＡ−ＢＥを開発しました。誰かに認められたい…誰かに必要としてもらいたい…！！！ 未来の世界では、その願いは無残にも打ち砕かれました。それどころか、自分の頑張った結果が、自分をＤ／Ｗ社から追放されるという皮肉な結果にすらなってしまったのです。努力を成功体験として獲得できなかったというトラウマは、鏡にとってどのくらい生きがいを失わせたことでしょうか？？？ しかし鏡は、Ｍｉｎｋちゃんたちによって、はじめて「認められること」「必要とされること」「感謝されること」などの経験をすることができました。あれほど酷い仕打ちをしたＭｉｎｋちゃんたちが、自分をサイバロイドから救ってくれたばかりか、自分を認め、必要とし、友だちになってくれ、そして今、目の前で感謝してくれているのです…！！！
補完された鏡の心…。しかしその代償は、初めての友だちを目の前で失うという皮肉なものでした。鏡は「だめだよ あきらめちゃ」と必死で訴えます。そうしている間にも、みんくちゃんからはどんどんと自分の創ったモノが、ＷＡＮＮＡ−ＢＥが、そんなにヤワなわけはない…！！！ 忘れちゃダメと必死で訴える鏡。もうろうとする意識の中で、みんくちゃんにその声がわずかに届いたのでしょうか？？？ …忘れる？ ……なにを？ 自分自身に問いかけた時、みんくちゃんの脳裏には、モッくんと「Ｍｉｎｋ」との数多くの思い出が蘇ってきました。あの初テレビの日にくれた花マル…抱きしめてもらったあの日…この人は一体だれ？？？ コノヒトはあたしの…？？？？
みんくちゃんの脳裏に浮かぶ想いは、全てモッくんの思い出でした。そして、それはほとんど「Ｍｉｎｋ」としての思い出ということになるのです…。これほどまでに愛しく、これほどまでに大切な想いを寄せる人…。そして、その大切な人との思い出は、決して「みんく」としての思い出ではありませんでした。いつわりの自分に依存し、本当の自分を大切な人の前で打ち明けられない…。みんくちゃんは、いつわりの自分とともに、自分にとって一番大切な人との思い出を失おうとしているのです。肝心の場面で本当の自分自身を出せないこと、それは、みんくちゃんが本当の自分に自信を持てないという病、いつわりの自分に依存する病ということなのです。みんくちゃんにとって一番大切な思い出の部分が、ほとんどすべて「Ｍｉｎｋ」としての思い出であるという点が、みんくちゃんの病の重さを物語っているのです！！！
思い出してください。ＷＡＮＮＡ−ＢＥと出会う前のみんくちゃんは、「だれかのために自分がなにかできることがすっごくうれしい」ことであることを、知らなかったのです。みんくちゃんは「誰かに必要とされる」という経験をそれまでできずにいたのかもしれません。そして、ＷＡＮＮＡ−ＢＥと出会った後も、必要とされてきたのは、あくまで「Ｍｉｎｋ」…！！！ 鏡は自分の努力が「必要とされる」という経験を、やっと得ることができました。しかし、それを鏡に得させたみんくちゃん自身は、未だに「誰かに必要とされる」経験をできずにいるのです！！！ この不幸な事実が、みんくちゃんが自分に自信を持てず自分を出せない…という重篤な病を、未だに持続させているのです！！！！ 「誰かに必要とされる」という経験への飢えは、「Ｍｉｎｋ」として活躍することで、癒されたかに見えました。しかし、その癒しはあくまで偽りの癒し…。本当のみんくちゃん自身は、未だにその癒しを得られず、無意識の底では、「誰かに必要とされる」という経験に飢えつづけているのです。しかし、偽りの癒しに惑わされ、みんくちゃん自身が、その自分の「真の」飢えに気付き得ないこと…そこに、みんくちゃんの病の真の重さがあるのです！！！
コンサート会場では、なぜ自分がここにいるのかわからないファン達が、ざわめきはじめていました。ステージには一体誰がいたのか？？？ 戸惑いながらも、ファン達は、ここにいる意味を見出せず帰ろうとし始めました。
階段のてっぺんで呆然とするモッくんは、ガラスの靴を再び拾い上げました。その靴をみつめながら、確かにここに誰かがいたはず…と、記憶を失いながらも、気付きはじめていました。そして、モッくんは何かに気がついたようでした。確かにここにいた……そう、オレがみつけたあいつは…！！！！
さまよう記憶の中で、モッくんの口から無意識に出てきたフレーズ…！！！ 「…わ……………す…れ……な……い…で」…どこかで耳にしたこのフレーズ…！！！ それが聞こえた会場のファンに一人もまた、そのフレーズを思い出していました。一人、そしてまた一人…！！！ たしかに私もしっているこのフレーズ…。
…忘れないで 覚えてて 地上の小さな天国………Ｖｅｌｖｅｔ
Ａｎｇｅｌ あなたを見てるから…！！！
ひとりじゃない…歌がつないでくれる…結んでゆく…なんてあたたかいＮＥＴＷＯＲＫ…！！！！ 全国３９０万人のファン達の思い出…！！！ 忘れないよ！ 覚えているよ！！ Ｖｅｌｖｅｔ
Ａｎｇｅｌ！！！！ ずっと見てるから！！！ モッくんの、そして、３９０万人のファン達は、確かにＶｅｌｖｅｔ
Ａｎｇｅｌ…いや、Ｍｉｎｋちゃんのことを、忘れませんでした。覚えていました！！！ モッくんが、そして、ファン達が呼んでる…！！！！ それは決して、みんくちゃん自身を必要とする声ではありませんでした。しかし、偽りの自分であったとしても、みんくちゃんにとっては、必要としてもらえていることは、決して忘れることのできない、大切な思い出でもあったのです！！！ 呼んでる…先輩が…ファンのみんなが…！！！！
「Ｍｉｎｋ−−−！！！！」モッくんの叫びが響き渡りました！！！ 呼んでる…いかなきゃ…！！！！ みんくちゃんの心の叫びがこだましたその時、モッくんの持つガラスの靴がまばゆく輝きました。どこからともなく舞い落ちる天使の羽根…そして、それとともに、モッくんのもとに降ってきたのは、シンデレラ？？？ Ｖｅｌｖｅｔ
Ａｎｇｅｌ……？？？？？ いえいえ、それはもちろんＭｉｎｋちゃんでした♪ 確かにデリートされたはずなのに…？？？ でも、確かにモッくんのもとに、再びＭｉｎｋちゃんは舞い降りてきたのです♪ ある時は噴水のもとに、ある時はイリヤくんのもとにも舞い降りたＭｉｎｋちゃんでしたが、かつてバイクで走行するモッくんのもとに舞い降りたＭｉｎｋちゃんは、再びモッくんの手元に帰って来たのです！！！ 笑顔で迎えるモッくん。「もうすこしで契約違反だっ」とたしなめつつも、モッくんはみんくちゃんを笑顔で迎えました。二人で誓った運命共同体…その約束が、理由はどうあれ、もう少しで破られるところだった…。でも、モッくんは責めません。Ｍｉｎｋちゃんが戻ってきたことに、今腕の中にいることに、モッくんは幸せと感謝を感じたのです♪ そして、それは３９０万人のファンにとっても同様でした♪ ＭａｃｏちゃんもＣａｎｏｎちゃんも戻ったステージで、ファン達の盛大な「アンコール」の声が響き渡ったのです！！！
Ｍｉｎｋちゃんたちを呼び戻したのは、モッくんと３９０万人のファン達の想いゆえなのでしょうか？？？ チェイサーたちは、ただただ戸惑うばかりです。２０９９年の技術をもって消せないもの…。司令は、その理由を、Ｍｉｎｋちゃんとモッくん、そして３９０万人のファンたちの結びつきと考えました。この強い絆。そして、あたたかいＮＥＴＷＯＲＫ！！！！ そう！！！ かつてＭｉｎｋちゃんをプラチナディスク大賞のステージで支援した３９０万人のファン達のあたたかいＮＥＴＷＯＲＫが、皆の記憶を甦らせるという奇跡をおこしたにちがいありません！！！ この結びつきを、あたたかいＮＥＴＷＯＲＫを変えてしまうことこそ「未来」を変えてしまう…。司令がこのＮＥＴＷＯＲＫに心を打たれたのかは定かではありません。しかし司令は言います。これほどの人々の、ファン達の心の中でＭｉｎｋｌｅが生きているのならば、むやみにデリートするわけにはいかないと…。ＷＡＮＮＡ−ＢＥが過去にもたらされたことで変えられた未来も確かにあるのかもしれません。しかし、これだけ作り上げられてしまったＮＥＴＷＯＲＫ自体が、既に未来を大きく規定しているのならば、それを根本からデリートする方が、「未来」にとって失うものが遥かに大きいということなのでしょうか？？？？ 残念ながら、時空管理の根本問題に関わるこの問題の検証は、残念ながらここではなされません。しかし、司令の判断により、Ｍｉｎｋちゃんたちの存在は、もう少し見守られることになりました。感謝する鏡…。忘れない…きみはプログラムなんかじゃない…。「ボクを救ってくれた天使」として…そして、初めて得た友だちとして、鏡は、バーチャルガールであるＭｉｎｋちゃんの存在を、対等の存在として認め、心を開いたのです♪
Ｍｉｎｋｌｅが戻ってきたステージでは、新年を祝うお祭りモードに突入していました♪ オムくんも復活し、帰って来たシンデレラ、いや、Ｍｉｎｋｌｅに、ファン達が盛大な声援を送っていました♪ Ｍｉｎｋｌｅの復活とともに、３９０万人のファン達に、新年がやってきたのです♪ シンデレラは、１２時の鐘とともに魔法が解け、去ってしまいました。でも、Ｍｉｎｋｌｅは、舞い戻って来ました♪ 一度は消えたＭｉｎｋｌｅの復活！！！ それはまさにＭｉｎｋｌｅが、３９０万人のファン達に、「１２時になっても解けない魔法」をかけたのです…！！！！
かつて事務所のスケジュール表に書かれたスケジュール…。来ないと思っていた「来年」が、Ｍｉｎｋｌｅにあらためてやってきました。すなわち、大忙しのスケジュールが、Ｍｉｎｋｌｅを待っていました。年始の番組に、大忙しのＭｉｎｋｌｅ♪ お正月らしく、振袖のＭｉｎｋちゃんの可愛らしさに、萌えもえなファンの皆様も多いことでしょう♪ 着物の着付けを慌てるばかりに、メイクさんにかんざしを突き刺されて「違う世界」で痛がるＭｉｎｋちゃんも、なかなかにコミカルです♪ 目のまわりそうなスケジュールに降りまわされるＭｉｎｋｌｅ。「あれえ」「おだいかんさま」…という叫びとともに「帯くるくる」状態のＭｉｎｋｌｅ…なんだか、妙なネタですね（苦笑）。そんなてんてこまいな中、時々こっそりとＭｉｎｋちゃんたちにメールを送ってくる鏡。あれから鏡がどうなったのかは定かではありません。もしかしたら、刑に服しているのかもしれません。しかし、鏡が生きて、「そっちの正月はどうだ 旧人類ども」などと憎まれ口を言えるようになったということは、鏡が元気な証拠でもあり、Ｍｉｎｋちゃんたちに心を開いた証拠でもあります。
正月番組で出るおせち料理に悲鳴をあげるＭａｃｏちゃん…。多忙なスケジュールにもかかわらず、Ｃａｎｏｎちゃんは「Ｍｉｎｋが気分わるいって！！」とウソをつきます。なんともないＭｉｎｋちゃんは戸惑いますが、外の空気でも吸わせてほしいと、ＣａｎｏｎちゃんとＭａｃｏちゃんはＭｉｎｋちゃんとモッくんを外に出るように促します。そして「神社方面なんかが」「大吉（はぁと）ってカンジ」と、意味ありげに笑う２人…♪ 神社…そう！！まさに初詣の時期ですね♪
人での多い神社…。「なにお願いした？」と、顔を赤くしてテレながら尋ねるモッくん。Ｍｉｎｋちゃんも言葉につまります。Ｍｉｎｋちゃんに気付く人々…。手をとりあって、モッくんとＭｉｎｋちゃんは撤収します…。もちろん、Ｍｉｎｋちゃんのお願いは、「ずっと そばにいられますように」。
こうして、Ｍｉｎｋちゃんの存在は、ひとまず見守られることになりました。この状況は、本当にみんくちゃんにとっていいことなのでしょうか？ モッくんと仲を深めていくのはあくまで「Ｍｉｎｋ」…。その心地よさに甘んじ、「Ｍｉｎｋ」としてモッくんとのランデブーを楽しむみんくちゃん…。なかなか本当の自分「みんく」をモッくんに見せることのできないみんくちゃん…。Ｍｉｎｋちゃんがデリートされずに済んだという状況は、ある意味、みんくちゃんの「偽りの自分への依存」という「病」を持続させ、みんくちゃんの成長可能性を阻害することになっているのではないでしょうか？？？ みんくちゃんはいつまでも「Ｍｉｎｋ」でいるわけにはいきません。今は幸せでも、いつかはみんくちゃんは、必ずめぐり合う「みんくとして認められたい」という想いに、苦しめられることは確実なのですから…。
シンデレラとして、王子様のもとへ帰って来たＭｉｎｋちゃん。シンデレラもＭｉｎｋちゃんも「着飾ったいつわりの自分」を見初められたに過ぎなかったのです。灰かぶりなままでもいい…。本当の素の自分のまま、みんくちゃんには自らモッくんをつかまえに行って欲しい…。シンデレラではなく、「雪の女王」に出てくるゲルダとなってほしい…。私はそう考えます。
今後、みんくちゃんの抱える「病」を、みんくちゃんは一体どう克服していくのか…？？？ みんくちゃんは、素のままの「みんく」として、モッくんに自らの想いを打ち明けることができるのか？？？ それは、いずれやってくるであろう「白石みんくちゃん篇」の中で語られることになってくるでしょう。
サイバーセキュリティの追求が無くなったことにより、みんくちゃんはＭｉｎｋちゃんとしての正体を打ち明けることができる状況になったとも考えられますが、みんくちゃんが「自分がＭｉｎｋ」と打ち明けてモッくんの関心を自分に向けようとするのか？ それとも、「Ｍｉｎｋ」に頼らず自力で「みんく」へとモッくんの関心を向けることができるのか？ そのあたりにも注意して見ていかなくてはなりません。
連載第１８回目（第１７話）から続いてきた「鏡・Ｊ・ファーウェル篇」とでもいうべきシリーズは、連載第２７回目（第２６話）となる今回で一段落ついたように思います。２月号での休載を挟んで、３月号からは新シリーズが始まると予測されます。いよいよ「白石みんくちゃん篇」とでもいうべき、みんくちゃん自身にせまるクライマックスのシリーズへと展開していくのか？ それとも、その前段階としてもう一段別のシリーズへと突入するのか？ 全くこの時点では方向性が見えませんし、２月号でのこのタイミングでの休載もいろいろな意味で気にかかるところです。一体、今後の連載がどうなるのか、波乱に満ちたＭｉｎｋワールド、ますます目が話せませんねっ☆
なお、今回が連載第２７回ということは、３月号をもって第２８回目、すなわち、立川先生にとって、「電脳少女☆Ｍｉｎｋ」は最長連載となるのです♪ 少なくとも連載は３０回に達しそうな感じですし、今後の状況次第では、コミックスも１０巻近くになることも考えられるかもしれません。今月号の付録のカレンダーの６月は、いかにも６月らしくＭｉｎｋちゃんとモッくんをモデルとしたウェディングシーンです♪ ここにＭｉｎｋちゃんが載っているということは、さらに連載が続くという編集部の意志の表れと解釈するのは都合が良すぎるでしょうか？ いずれにせよ、立川先生にとって、最長となるこの記念すべき作品の行方を、さらにあたたかく見守っていきたいと考えています♪
通常版コミックス第１巻分（１〜５話）へ行く
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